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2018年09月28日 15時32分 JST | 更新 2018年09月28日 15時37分 JST

一糸まとわぬ姿に秘めた、砕かれた想い

英国の人気プラスサイズモデル、ジョージナ・ホーンが遂に脱いだ理由

※一部、過激な表現がございます

VOL・UP・2

「Volup2のコーナー、Artistic Nudity(アーティスティック・ヌーディティ)のページに掲載された私の最新の写真に対して、最高にワンダフルで敬意のこもった数多くのコメントに感謝したいわ。

ベルベットの下でモデルとして働いてもう6年になる、彼女のことは絶対的に信頼しているの。今回の撮影はそれを指し示した格好だと思うわ。読者のひとたちがインスパイアされ、パワーが漲ると感じてくれたことが本当に嬉しい。この称賛を得たいからこそプラスサイズモデルを始めたの。

そこにはとても大きな意味がある。私たちのボディはセクシーでかつ、機能的である以上に、並はずれた芸術作品よ。」

ジョージナ・ホーン。ハンドルネームはフラー・フィギュア・フラー・バスト(Fuller Figure Fuller Bust)。

ロンドンを拠点とし、フェイスブックページ22万人、インスタグラムでは21万人を超えるフォロワー数を誇る、プラスサイズの世界では数少ないプロの人気モデルである。豊満で妖艶かつ、個性的な魅力を持つ彼女はこれまでおもに、カーヴィー・ケイト(Curvy kate)やシンプリー・ビー(Simply Be)といったプラスサイズ専科のブランドのウェブサイトで、ブラやランジェリーを身に纏ったセクシーショットやピンナップだけでなく、ファッションの最先端アイテムを紹介するページにも登場し、他にも数多くの著名なコマーシャル・ファッション誌(ノンノ、JJのようなファッション宣伝誌)でプラスサイズモデルとして活躍してきた。

そんな彼女が事実上、初のオールヌードに本格的に挑んだ理由は一体何だろうか? プロの人気モデルとしてその地位を確立し、男性フォロワーへの余計なサービスショットなどいまさら必要ないにもかかわらず、である。

先のコメントとは明らかにトーンの違う、彼女の本音ともとれるコメントがインスタグラムでヌード写真の横に掲載されていた。

「私は常々、さまざまな言われ方で太っていることを突かれてきたの。いつ痩せるのとか、健康について意見されたりとか、『勇敢で自信に満ち溢れていて、太っている女の子にこれ以上ないというほど愛らしいマスクを持ち合わせているわね』とか。

中学時代は地獄だった。でもそれは太っていても幸せな人たちが一致団結することを牽制したいほど怖れている、そんな閉鎖的な世間に耐えられる強い自分自身を築き上げるためのトレーニングになったわ。太っていることを中傷するさまざまなコトバをそれでも許してきたけれど、実は今も傷ついているの。

私の夫が太っているどころかスリムで筋骨隆々で運動神経抜群な姿をみると、みんな信じられないような表情をするわ。私は彼のそばにいるべきではないのかしら。だって一緒にいると彼の方が瞬時に私なんかよりも魅力的な存在になってしまい、私が彼と一緒にいるに値しなくなるの。

私が太っているせいで、さまざまな場所を余計に塞いでしまうことに敏感な人たちをただ安心させたいがために、自分のスリーサイズをネタにしてジョークを噛ましたりしているけれど、一日に300回は未だに自分の体型を恥じているの。

私の体型を欠点と見なしている人たちに過小評価されることが実は怖いのよ。私を快く思ってはいない人たちから言いがかりをつけられたら対処しなきゃと思うと、いつだってピリピリしているわ。列車や飛行機の椅子に坐るときも常に懸念が絶えないし。食べモノを買うときでさえ、たまに誰かにジャッジされているような気分に陥るの。

バーガー? 太ったって不思議はないわ。サラダ? ま、せいぜいがんばって。』どんなダイエットだってあたかも個人攻撃のように、体重を減らすことやさらにもっと痩せる方向にばかり展開する。脱皮しなきゃ。私は間違っている。ー プラスサイズ女子の一糸まとわぬ姿に秘めた、砕かれた思い ー」

ファッショナブルなスタジオ写真のみならず、化粧を落とした素顔やその丸い体型をすべて晒すがごとくフィットネス・スーツでエクササイズしている、そんな私生活のスナップ写真もインスタグラム等のSNSに数多くアップロードしてきた彼女。

そこに映し出される健康的で自信溢れる満面の笑みや姿勢はこれまで、男性のみならず数多くの女性フォロワーをも魅了し勇気づけてきた

しかし、今回の彼女のオールヌードには多くの苦労や葛藤、コンプレックスが潜んでいる。そのマスクから、これまで見せてきたその満面の笑顔が欠片も見当たらず、物憂げな表情やなかには悲壮感まで漂うような沈鬱なものまで目立つ。数枚の微笑みもナチュラルでこそあれ、何か辛いことから吹っ切れたかのような様子に見えなくもない。

また、数々のポーズにもこれまで彼女が醸し出してきた開放感があまり見受けられず、どこかすべてをさらけ出すことに躊躇してしまっているかのような印象すら与える。これまでの写真とはかなり異質である。

ときに人一倍おどけてみせるほど明るく、サービス精神旺盛で実はとても優しい表面と相反する、己の脆さと葛藤する心。英国のプラスサイズの世界でリーダー的存在感を放つ彼女も、実はその分だけとても傷つきやすいひとりの女性でもある。

だからこそ彼女はこのオールヌード写真に併せ、ありのままの『砕かれた想い』を綴ることにより、人気モデルとしてではなく等身大のプラスサイズ女性として身も心も全裸のボディポジティヴを表現したのである。

そんな彼女の赤裸々な姿を芸術的・エディトリアルに寸分たがわず完璧に撮れる人物は、エディトリアル・フォトグラファーとして卓越した実績を誇り6年前、まだ無名だった彼女の魅力を見出して以来、数多くの彼女の写真を手掛け、彼女を知り尽くし、彼女と同じく有名なプラスサイズモデルとして堂々と世界を闊歩し、共に美の多様性を強く主張してきた、絶対的な信頼関係と絆で結ばれているプラスサイズモデル界の権威、ベルベット・ダムールに他ならなかった。

ダイエットで痩身美人をめざす権利は当然ある。スリムになることによって本来の自分自身の姿であれるというのなら、それだって立派な主張でありボディポジティヴに含まれるべきだ。

しかし、痩身だけが市民権を得ることが果たして、本当の叡智と呼べるものだろうか? 不健康でさえなければ、さまざまな容姿体型の女性たちが闊歩する社会を創る権利だって認められるコミュニティこそ、真の開かれた社会と呼べるものではないだろうか。どちらにせよ、身を削る思いが感じられない、口先だけの名言やセオリーには説得力がない。 

ともあれ、実はとてもシャイであった彼女が、身体を張って自身のすべてを赤裸々に表現した。

VOL・UP・2