「聞く」集中力を高めるシャドーイング
良い人間関係のためには、相手の話をよく聞きましょうと言われたことがある方、本などで読んだことがある方も多いと思いますが、
多くの人は、「聞く」ということは、誰かが話をしている間、
静かにしているという受け身の行為だと思い違いをしています。
私たちは、話すよりも4倍速く考えられると言われています。
静かに聞いている間に、私たちの心の中ではたくさんの会話が
雑音として去来しているのです。
では、雑音をなくして積極的に聞くためには
どのようにすればよいのでしょうか?
「聞く」ことの集中力を高めるシャドーイングという方法をご紹介します。
積極的に「聞く」集中力を高めるシャドーイング
積極的に聞くということは、話し手が見るように物事を見ようとする事、
話し手が感じるように物事を感じようとすることです。
「シャドーイング」は元々、英語などで同時通訳をする方が、
話し手になりきって通訳をするためにトレーニングをしている方法です。
通訳のスペシャリストは、単に言語だけを翻訳するのではなく、
話し手の言葉の奥にある感情を感じ取り、
最もふさわしい言葉で通訳をしてくれます。
そのために、
① 話し手の言葉
② 音の高低
③ 強弱
④ ブレス(息継ぎ)
と、段階を追ってそれぞれに焦点を当てながら、
聞こえたとおりに言葉を発するトレーニングを行っていきます。
このように、話し手になりきることが、聞く集中力を養うのに
ものすごい効果を発揮するのです。
実際にやってみると、シャドーイング中は自分のことを
考えている暇がないことを実感していただけると思います。
これが大事です。
ぜひ、繰り返しシャドーイングをして、聞く集中力を養ってみてください。
相手の中に入って聞くという意識も、だんだんと持てるようになってくると思います。
確実に、話の聞き方、人との向き合い方が変わっていくと思います。
人の感情は音に現れると言われています。
音から感情をキャッチする能力は、人が本来持っている本能なのです。
音に意識を向けて話を聞いていくことで、
自分のことを考えている余裕はなくなりますし
本当の意味で、相手に寄り添って聞く話の聞き方に、
少しずつ近づいていくことができるのです。
ぜひ、意識して実践してみてください。
(2016年06月15日「ボトルボイス」より転載)