■「キャラクター大国」の日本で愛され続けるハローキティ
昨今、様々なコラボレーションをみせるサンリオの人気キャラ・ハローキティ。
2017年に入ってからは、ゴディバジャパンとのコラボレーションを早速発表。「GODIVA &ハローキティ」 (マスコットセット各3780円、ドールセット各5400円)を、1月6日(金)にサンリオショップとサンリオオンラインショップ限定で販売します。バレンタイン向けギフトとして気になるコラボですね。
また、相田みつをさんとのコラボ第2弾として注目を集めているのが、日めくりカレンダー『幸運日めくり ハローキティのにんげんだもの---毎日が楽しくなる31の言葉』。「そことコラボかっ!!」というツッコミは心にしまっておいてくださいね。同カレンダーでは、相田さんの人生を応援する31の言葉に合わせて、キティがそれを体現。可愛らしいハローキティの姿に腰砕けになってしまうかも。
このように長く幅広い年齢層から愛されているハローキティ。なぜ、こんなにも愛され続けているのでしょうか。ここ日本は、「キャラクター大国」と言われるほど、多くのキャラクターが登場しては、消えてしまいます。そんな中で、世界的に人気を誇るハローキティ。
「コアラのマーチ」の人気CMシリーズをはじめ、多くのキャラクター制作や運営に関わってきたクリエイティブディレクター・いとうとしこさんは自著『売れるキャラクター戦略』で、その人気の理由について明かしています。
どうやら、たった一握りの王道キャラクターには、"ある共通点"があるようです。
例えば、ハローキティやミッフィー、これらにはどのような共通点があると思いますか?
両キャラクターの共通点は......、「頭と体の比率」に注目してみると明確。どちらも、頭がかなり大きく、体は小さくなっていますよね。また、目鼻の位置が顔の下の位置に集中しています。これは、「赤ん坊や子犬子猫の比率に近づけてある」からと同書で明かされています。
もちろんこれには理由があります。人間が本能的に「面倒を見たりかわいがったりしなくては!」と思ってしまうのが、「赤ん坊のような顔」なのです。
なるほど、確かに思い当たる節があります。長く売れているキャラクターで、これらの比率や位置が逆になっているものは、なかなか思い出せません。皆、赤ん坊のような顔をしています。
■ハローキティに口がない理由とは
さらに面白い分析があります。
「完全なデザインのものよりも、不完全なデザインのものに惹かれたり愛着を持ったりしてしまいます」
これは一体どういうことでしょう。同書によると、完全に整ったデザインのキャラクターよりも、顔のパーツが足りていなかったり、省略されていたり、また、左右非対称といった不完全なデザインなものの方が、人は愛着を持ちやすいというのです。その背景には、「弱そうなものに手を差し伸べたくなる心理があるから」と、同書で解説されています。
よく思い出してみると、ハローキティには口がありませんよね。ハローキティは、体よりも顔が大きく、目鼻も顔の下位置に配置されています。そして、口が省かれているというデザイン......、これは、長く愛されるためのプロによる"こだわり"が反映されたため。確かに、手を差しのべたくなる気持ちが理解できます。
さらにつっこんだ分析がされています。「ウィークポイントがあったり、うっかりした性格であったり、苦手なものがある」という"隙づくり"が重要とのこと。
代表例としてドラえもんを思い出してみてください。普段は頼りになるドラえもんですが、実は、「ネズミ」が大の苦手。何でもかんでも解決してしまうキャラクターよりも、何かが足りていない方が愛着を持たれやすいんですね。なるほど。
何かを足すよりかは、何かを引く。その何を引くのかが、長く愛されるキャラクターのポイントと言えそうです。
皆さんが愛してやまないキャラクターは何ですか?
頭に思い浮かべたそのキャラクターは上記の法則に当てはまっているでしょうか。