日本で「コミュ障」だとしても、海外でもコミュ障とは限らない

日本的なコミュニケーションって、なんだか「正解」の形が決まっている気がしませんか?

どうも、コミュ障って言葉はあんまり好きじゃないwasabi(@wasabi_nomadik)です。

いつからか、日本では人との会話が苦手な人のことを「コミュ障」と呼ぶようになりましたね。まぁ、そのほとんどの多くが本当に言語を発することができない「コミュニケーション障害」を持っている人ではなく、あくまでも比喩であり、ネット上のスラングであるということは、近年のこの言葉の使われ方を知っている人ならご存知だと思います。

最近ありがたいことにブログ読者さんが増えてきていまして、ほぼ毎日色んなメッセージを受け取ります。その中にけっこう多く見られるのは「自分もいつか海外に出るのが夢だけれど、自分に自信がない」というものです。そのほかには「日本での人間関係さえ上手くいかないのに海外で上手くやっていける自信がない」というお悩みもいただきます。

これ、こう思っている人にこそ海外に出て是非「コミュニケーションとは何か」を考えてもらいたい!

なぜなら日本的なコミュニケーションが苦手だからといって、必ずしも海外でも同じようにコミュニケーションが苦手だとは限らないからです。

それは日本と海外でのコミュニケーションの概念そもそもが違うことだってありえるからです。

ほとんどの企業は新入社員の採用などにおいてコミュニケーション能力を要求している。

逆に言えば、企業がはっきりとそう望まなければならないほど、世間にはコミュニケーションに問題を抱えている人が多いということである。(ニコニコ大辞典:コミュ障)

日本的なコミュニケーションって、なんだか「正解」の形が決まっている気がしませんか?

企業が求めていること、社会の空気が求めていること、相手が暗黙のうちに求めていることにピッタリ合わせられる人こそが、あたかも"コミュニケーションの達人"であるかのような、そんな印象をこの一文からも受けます。

以前私が書いた"「異文化コミュニケーションは「ブッ込み」の連続?"という記事から以下抜粋します。

コミュニケーションとはもともとラテン語で、「共有する」という意味です。情報を交換し合い共有することがコミュニケーションであって、相手を傷つけないように、なにか失礼な事を言わないようにと気を使いすぎて何も言わないのでは本末転倒ですし、日本でよく語られる「コミニケーション=スムーズなやりとり」という図式はコミュニケーションのもともとの意味ではないのです。

コミュニケーションて、スムーズな会話の運びが大切なんじゃなくて「伝えようと、共有しようと」する姿勢がすごく大切だと思います。

これって、英語に苦手意識を持っている人にも同じ事が言えます。英語が苦手だという意識があると自分の英語を聞き取れなくて聞き返されるのをすごく恐れてしまうんです。で、「私、英語あんまり得意じゃないからごめんなさい」となってしまうけれど、実際聞いている側からしたらあなたの英語が上手かどうかはどうでもいい場合がほとんどです。自分が気にしているほど案外人は気にしていないものです。

ちなみに私は自分のことをコミュ障だと思ったことは全くありませんが、昔からグループ行動がすごく苦手で苦痛でした。女子で集まって食べるお弁当とかも、楽しめるようになったのはある程度学校の枠に縛られない交友関係が築けるようになった大学後半くらいからですかね。それこそ、屋上で一人でご飯食べたりしてました。その方がずっとラクで自分は楽しかったんです。それの何が悪いのか全く分かりません。

私は男友達とわいわいしてる方がずっと楽でしたが、「変な奴枠」に入っていたので女の子コミュニティーから「あいつ男好きだよね」とか言われることはありませんでした。でも、同じようなタイプの別の女の子が陰で悪口やらねたみを言われているのを学校生活の中で幾度となく見かけてきました。

でも、その女の子は自分が心地よいと思う方にいるだけなのに、なんでこんなに窮屈な思いをしているんだろう、自分は女の子と仲良くできない落ちこぼれなのか?と思ってしまうかもしれません。

もしかしたら、その彼女は「学校」という小さい社会のそのまた中にある「女子コミュニティー」という社会では馴染めないかもしれませんが、海外に行かないまでも自分のいる環境を少し変えるだけで全く見える世界が変わるかもしれません。

私は社交的に見られる事も多いのですが、私だって苦手な人はたくさんいます。それは海外にいても変わりません。

しかし、ドイツに来てから私のはっきり自分の意見を言う性格(日本だと空気読めない性格)は強力なコミュニケーションの材料となりました。日本では「コミュニケーションを妨げる」と思われているこのアッパー系コミュ障(笑)らしき要素が、ドイツに来たら私のキャラクターとしてちゃんと承認してもらえている気がしています。

もちろん、全ての人が海外に行ったら絶対コミュニケーションが上手くなるとか心地よい空間に巡り会えると言っているわけではありません。でも、否定するにはまず実際にやってみてからですよね。どんな社会が自分に合うかなんて体験してみないと分からないし、自分の生まれた場所が必ずしも一番しっくりする場所とも限りません。

なので私は海外行きを迷っている人がいたら100%、まずは旅行でもいいからとにかく行ってみることをおすすめします。って、実際にやるのが一番難しいんですけどね。でも、旅行ならハードルが低いですよね!

(2015年12月9日「WSBI」より転載)

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