セカンドオピニオンは「患者の権利」?

日本にはまだ、患者本人の希望より医療者や家族の意見が優先されていたり、効果のない治療を続けて苦しんでいる人もいます。

最近よく話題になる「セカンドオピニオン」。主治医以外の医師に診断や治療の意見を聞くことです。日本ではいまだに拒否反応を示す医師もいるそうですが、これは患者にある当然の権利です。

セカンドオピニオンのほかにも、さまざまな「患者の権利」があることをご存じですか? 欧米では当たり前のこととして考えられており、アメリカでは「患者の権利章典(Patient Bill of Rights)」と呼ばれています。

例えば、有名なジョンズ・ホプキンス病院のサイトに行くと、「患者の権利章典」が英語、アラビア語、中国語、スペイン語で出てきます。残念ながら日本語版はないので、一部を訳してご紹介します。

・ あなたには、年齢、性別、人種、国籍、宗教、セクシュアリティ、障がいに関わらず、思いやりのある尊敬の念をもったケアを受ける権利があります。

・ あなたには、安全な環境でケアを受ける権利があります。

・ あなたには、尊厳を保てる環境でケアを受ける権利があります。

・ あなたには、病気や予後について医師から話を聞く権利があります。また、治療のリスクや効果について知る権利があります。

・ あなたの許可のもとで、家族や友人はあなたに提供される治療やサービスの決断に参加することができます。

・ あなたには、あなたがわかる方法でコミニケーションを図る権利があります。そのため、病院では手話や外国語の通訳を無料で提供します。もし、あなたに障がいがある場合は、あなたのニーズに対応するためにサポートします。

・ もし、あなたやご家族がケアに関する倫理的な問題に気づいた場合、倫理サービス(Ethics Service)の担当にお電話ください。

・ あなたには、自分が受けているケアに対する懸念を口にする権利があります。医師や看護師長にご相談ください。または、患者相談室(Patient Relation Department)にご連絡ください。

ここでは、セカンドオピニオンには触れていません。なぜかというと、アメリカでは当然のことだからです。がんの患者さんの場合は、半数以上がセカンドオピニオンを求めます。

国内でも患者の権利への認識は高まってきていています。大きい病院では、「患者の皆さまの権利・お願い」というものが提示されていて、セカンドオピニオンについても書いてある場合があります。

患者の権利は、日本ではまだまだ新しい観念です。

患者本人の希望より医療者や家族の意見が優先されていたり、効果のない治療を続けて苦しんでいる人もいます。

あなたは、そのような経験がありますか? 皆さんのご意見をお聞かせください。

(2016年3月29日「佐藤由美子の音楽療法日記」より転載)

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