民主党、鈴木寛に東京選挙区を一本化すると発表、大河原雅子氏は無所属で出馬へ【動向まとめ】

民主党の海江田万里代表は、2日、東京で記者団の取材に応じ、現在2人を公認していた参院選東京選挙区(改選数5)で、大河原雅子氏(60)の公認を取り消し、鈴木寛氏(49)に候補を一本化すると発表した。民主党は6月に行われた東京都知事選において、複数候補者を立てた選挙区で共倒れが相次いだこともあり、候補者を一本化するという戦略に切り替えたようだ。
時事通信社

民主党の海江田万里代表は、2日、東京で記者団の取材に応じ、現在2人を公認していた参院選東京選挙区(改選数5)で、大河原雅子氏(60)の公認を取り消し、鈴木寛氏(49)に候補を一本化すると発表した。民主党は6月に行われた東京都議選において、複数候補者を立てた選挙区で共倒れが相次いだこともあり、候補者を一本化するという戦略に切り替えたようだ。

海江田氏は細野豪志幹事長との協議の後、記者団に対し「先ほど、苦渋の選択を致しました。」と語り、大河原氏に対して比例代表への転出を打診し、断られた経緯を話した。大河原氏の立候補については、「自由なので、ウイングを広げて頑張っていただきたい」と述べたという。

大河原氏は海江田氏の発言を受け、大河原氏は反発。東京・四谷の事務所で記者会見を開き、民主党執行部の決定に大して次のように怒りをあらわにした。

「今日改めてお伝えしなくてはいけないことができました。

細野幹事長からお電話をいただきました。

昨日、一本化に向けて検討してもらいたいという話を頂いておりましたが、公示日の間近にしたなかで、こんなことはありえないことだと、特に、都議会議員選挙前に、一本化という話はなくなったと改めて聞いておりましたし、都議選後も、海江田代表から、2人で頑張って、それぞれ走りだしているので、応じられないということを、メディアの皆様にも伝わっていたかと思います。

苦渋の選択ということで、先ほど、海江田代表の記者取材がありましたが、苦渋の選択をされたと伝わっておりますけれども、私にとりましては本当に納得できるものではありません。

私の思いというものは変わらず、やり残したことがたくさんございますので、どのような形でも、今回の選挙には出馬するということで、結論的には、無所属で公示日に、2期目を目指して立候補させていただくつもりでございます。」

(YouTube「大河原まさこ記者会見」より。2013/07/02)

また、また、大河原氏はブログでも、下記のように思いを綴っている。

前日まで決起集会を開き、ご支持の拡がりを感じ始めていた矢先、しかも公示日2日前の決定は到底、納得出来るものではありません。

確かに都議選の結果は極めて厳しいものとなりました。しかし、今回の参議院選挙は、危ない安部政権の暴走に歯止めをかける、民主主義の危機に抗する正念場の戦いです。退くわけには参りません。

(大河原雅子氏ブログ「緊急のお知らせ・無所属で立候補します!!」より。 2013/07/03)

大河原氏が無所属で出馬することになり、同党は、事実上の分裂選挙となる。産経ニュースでは、鈴木氏に候補を一本化したことについて、次のように報じている。

候補者一本化の必要性を痛感した執行部は、週末に参院東京選挙区の世論調査を実施。その結果、大河原氏はやや劣勢だった。だが、この調査を根拠に公認を剥奪されることに大河原氏が納得するはずはない。これまでの調査では鈴木氏が劣勢だったこともあるからだ。しかも、6年前の参院選で大河原氏はトップ当選。鈴木氏は3位だ。

(産経ニュース「民主、東京公認を一本化 大河原氏反発 分裂選挙へ」より。2013/7/2 22:28)

東京選挙区は5議席を争う選挙区で、前回の参院選では、大河原氏が1,087,743票、鈴木氏が780,662票と20万票以上の得票差がある。1日には、海江田代表をはじめ菅直人元総理、連合東京の須永謙治事務局長、自治労東京の宮本知樹執行委員長などが、大河原氏の決起集会に出席し、激励していたばかりだった。

大河原氏は、東京・生活者ネットワークに所属し、東京都議会議員として3回当選、国会議員としては2007年の参院選選挙で当選し今回の選挙では2期目を目指していた。

一方、鈴木氏は通商産業省出身の元官僚で、2001年に民主党公認で東京選挙区から出馬し当選、現在2期目である。楽天の三木谷浩史が代表理事を務める新経済連盟(新経連)は、25日、鈴木氏を推薦すると発表している。

また、鈴木氏は6月25日に行われた「新しい選挙のカタチ。」"ネット選挙"公開討論会で、東京都議選での候補者一本化について下記のように話している。

田原総一朗氏:都議選で民主党が惨敗した。なぜ惨敗したの?

鈴木寛氏:2人立てていたとこが6つあるんですが、そこの5つが共倒れというのが非常に大きい。そこを共産党さんはついた。全体の得票数は2番目なんですが、党の候補者調整の失敗、もちろん現職残っていたのでしょうがないのですが、戦略的な問題あると思う。

(「新しい選挙のカタチ。」"ネット選挙"公開討論会より 2013/06/25)

一本化はないとしていた執行部が態度を変えたのは、焦りからか。朝日新聞デジタルは、大河原氏の選対本部長を務める小川敏夫代表の話として次のように報じている。

大河原氏の選対本部長を務める小川敏夫元法相は2日夜の記者会見で「私は民主党籍のまま大河原氏を全力で応援する」と明言。大河原陣営幹部によると、菅直人元首相も支援を伝えてきたという。党内からは「『党からいじめられた女性』との同情が集まり、逆に大河原さんは伸びるだろう」(幹部)との見方も出る。

(朝日新聞デジタル「民主、東京で公認一本化 大河原氏は無所属で出馬へ」より。2013/07/03 00:01)

共倒れに危機感を覚える民主党に、第3極はどう戦うのか。時事通信は次のように伝えている。

維新は当初、みんなの党と改選数3以下の選挙区で協力することで合意していたが、維新の橋下徹共同代表の従軍慰安婦発言を受け、協力は解消された。みんなが維新に譲る予定だった千葉、京都など6選挙区に候補を擁立したのに対し、維新はみんなを推すはずだった愛知に候補を立て、第三極同士の競合が増える結果に。両党は規制改革など重なる主張が多く、「浮動票を食い合うだけだ」(維新関係者)との声も出ている。

(時事通信「野党、複数区でつぶし合い=民主、第三極が激戦【13参院選】」より。2013/07/02-22:17)

東京選挙区は、民主党候補のほか、自民党から2人、公明、みんな、維新、共産、諸派などが争う激戦区だ。それぞれどのような戦い方をするのか、また、結果はどう出るか、全国から注目が集まる。

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