「幻のオリンピックの二の舞にするな」2020年の東京五輪に懸念の声も

した2020年の東京オリンピック。福島第一原発の汚染水の流出がとなる中、との報道もあったが、蓋を開けてみれば東京が2位のイスタンブールの倍近い票差で、決選投票で圧勝した。
Japanese Government railways

9月8日に開催が決定した2020年の東京オリンピック。福島第一原発の汚染水の流出が国際的に問題となる中、マドリードが優位に立っているとの報道もあったが、蓋を開けてみれば東京が2位のイスタンブールの倍近い票差で、決選投票で圧勝した。

その勝因には、安倍首相が自ら汚染水の問題について安全性を強調したことが背景にあったと言われている。1964年の前回の東京オリンピック以来、日本で夏期オリンピックが開かれるのは実に56年ぶり。日本は祝賀モードに一斉に包まれたかのようにも見えたが、ハフポスト日本版に寄せられたコメントの中には懸念を表明する声もある。「汚染水問題は本当に大丈夫なのか」「中国との対立が激化して、幻に終わった1940年の東京オリンピックの二の舞になるのでは」などの声が上がっている。

ここでは、オリンピック招致 東京の勝因は「安倍首相のスピーチ」「無難な選択」海外報道に寄せられたコメントの中から、抜粋して紹介したい。

■「五輪開催までに問題は解決するのか」と不安視する意見

2020年までには予断を許さない案件がたくさんある。中国との関係がかつてないほどに悪化しつつある現状や、首相がコントロールされていると豪語してしまった福島第一原発を本当にコントロールできるのかという不安、膨れ上がる財政赤字が引き金で起きるかもしれない日本国債と日本円に対する信用失墜、そして、東京直下を震源とする巨大地震のリスク等がそれである。昔、東京での開催が予定されていながら、支那事変により返上され、幻に終わってしまった1940年の夏季オリンピックの二の舞にならないことを願う。

東京にとって不利な要素は福島原発だった。IOCも海外マスコミも7年後には問題は解決しているだろうと考えているのだろう。しかし、日本政府の2年半の対応を見てくると、7年後も状況は変わっていないだろうことが予測されてしまう。

安倍総理大臣が汚染水問題解決を国際公約したのは良いが、「状況はコントロールされている。汚染水による影響は完全にブロックされている。健康問題については将来も全く問題ない」というのは事実とは違うだろう。

オリンピックが開催されれば、経済が活性化し、循環することによって、復興へつながると聞きますが、はたしてどのくらいの効果があるのか。今までのオリンピック開催地でも、一過性のものなのではないでしょうか。あるいは、経済効果があっても、ほとんど開催地(東京)に限られてくるように思います。

もちろん、こうした悲観的なコメントだけが寄せられたわけではない。開催を前向きに捉えて「汚染水問題や震災復興に取り組むべき」とするコメントも多く寄せられている。

■五輪開催を前向きに捉える意見

安倍首相のスピーチは、オリンピック招致の為のみならず、世界に向けて日本が一丸となて、汚染水問題、震災復興に動き出しますというメッセージを打ち出したことで、意義があったと思います。覚悟を決めて、あらゆる日本、世界の技術知識を総動員して、やり遂げてほしいものです。

東京オリンピック開催決定、喜ばしいことです。ご尽力された皆さんありがとうございました。開催までの長い助走期間を大切に、ビジネスに活用していきたいと思います。
相変わらずオリンピックに否定的なコメントが見受けられ残念です。原発問題の解決が国際公約されたのですからこんなに素晴らしいことはないではありませんか。
いわゆるネオリベラルの、「大変だ」「深刻だ」と騒いでいられる地点にいつまでも留まっていたい、引いては問題を解決したくない、という心理なのでしょう。私は問題というのは解決する事にこそ注力すべきと思います。

【※】このように大きく分けて2つの意見に分かれましたが、読者の皆様は五輪開催をめぐる議論をどのようにご覧になりましたか。改めて皆さんの意見を伺えればと思っています。

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