日本はいまだに、福島第一原発事故の後遺症である放射線問題を解決できずにいる。最近では、海への汚染水流出が続いていることや、地元住民の間で長期的な健康被害を危惧する声が広がっていることが伝えられている。
そんな中にあっても、多くの作業員が危険を賭して、福島第一原発の安全性を確保すべく取り組んでいる。そうした作業員を支援しようと、大阪にある山本化学工業は、放射線遮蔽素材でできたスーツを開発した。
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素材は、ゴムに炭素を練り込んだものだ。重さは3キログラムで、ウェットスーツのように伸縮性がある。ただ、汚染水がしみ込んでこないようにするため、伸縮性にはそれなりの限界がある。10月の記者会見で同社の山本社長は、(水がしみ込まないように工夫したため)「ベータ線はほぼ100%遮蔽できる」と述べた。
同社サイトによれば、現在作業員が着用する放射線防護服は、放射性物質の服への付着を最小限にするものであり、放射線の被曝から身体を護るものではないが、同社の「放射線遮蔽服」はガンマ線とベータ線の両方から体を守れるよう工夫されている。
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同社資料によると、同社は原発事故を受けて、かつて同社が製造していたX線防護服の技術を応用し、遮蔽素材を開発した。試験施設の測定では、6mmの素材の場合、X線防御率99.9%、ガンマ線(セシウム137単一)は25.7%だという。同社は、この素材を使った靴のインソール等も発売している。
[(English) 日本語版:ガリレオ]
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