過激派組織「ボコ・ハラム」が3月7日、Twitterで音声メッセージを公開し、同組織はダーイシュ(イスラム国)への忠誠を宣言した。
メッセージでは、ボコ・ハラムの指導者アブバカル・シェカウを名乗る男が同組織がダーイシュを支持すると表明。「困難な時も、繁栄している時も、その言葉を聞き、従う」と述べた。
ハフポストUS版はメッセージが本物かどうかを確認できていないが、過激派を監視する「サイト・インテリジェント・グループ」はこの日、メッセージはボコ・ハラムのアカウントに投稿されたものだと述べた。
ナイジェリア政府のマイク・オメリ報道官はロイターに、メッセージは政府が以前から懸念していたボコ・ハラムの国際的な結びつきを裏付けるものだと述べた。マイク氏は「これは以前から私たちが国際社会に対して訴えてきたことだ。世界はナイジェリアで起こっている惨状に目を向けて欲しい」と述べた。
ボコ・ハラムは2009年以降、ナイジェリアで武力を伴う反乱を起こしてきた。近年ではそれが、近隣諸国にも広がっている。2014年、シェカウ容疑者はナイジェリア北西部で複数の町を占領した際に、「イスラム国」の建設を独自に宣言。2015年にはナイジェリアと近隣諸国が本格的にボコ・ハラムの一掃に乗り出したこともあり、同組織は厳しい状況に陥っている。
2014年の6月、ダーイシュの指導者であるアブバクル・バグダディ容疑者が「カリフ」を自称し、世界中のイスラム教徒および団体に対し、グループに彼の下への集結を促した。これを受け、エジプト、リビア、アルジェリア、イエメン、パキスタン、アフガニスタン、サウジアラビアの武装勢力が、ダーイシュに忠誠を表明している。
最近になって、専門家はボコ・ハラムのプロパガンダがダーイシュのものに似てきており、2つのグループのネットワークの繋がりが強くなってきているのではないかと指摘していた。今週はじめにボコ・ハラムは、動画を公開し、2人の捕虜を斬首し公開するとしていたが、これもダーイシュが繰り返し使う「処刑」動画の影響を受けていることが指摘されていた。
今回出された声明の、実質的な影響は不明だ。ボコ・ハラムは元々はナイジェリアの反政府勢力だったが、イスラム教過激派の「ジハード」ネットワークの中で、より重要な役割を果たしたいと考えるようになった。しかし、ボコ・ハラム自体には、ダーイシュが重要な戦略と位置づけている、占領地を統治するというシステムがまだ確立していない。
一方で、ボコ・ハラムが各地で行う殺戮・拉致・自爆テロなどによって、ナイジェリア北東部は混迷に陥っているのは事実だ。7日、ボコ・ハラムの犯行と推定される4件の自爆テロがマイデゥグリで発生し、50人以上が死亡した。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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