6月1日の「国際こどもの日」を目前にした5月最後の週末、中国南部にある広東省清遠市では、300人以上の親たちが子供を連れて豪華な邸宅や別荘を訪れていた。彼らがここを訪れる目的は「裕福な生活」について子供に教えることだ。
彼らが訪れた豪邸の1軒あたりの価格は、約400万元(約8020万円)だ。香港を拠点とするNGO「中国労工通訊」によると、2013年の中国の平均月収は5793元(約11万6000円)なので、平均月収と比較すると豪邸がどれだけ高額なのかがわかる。
この豪邸ツアーに参加した親たちの声を、デイリー・メール紙が伝えている。その1人で息子を連れて豪邸ツアーに参加した会社員のマー・レンウェンさんは、参加の理由を次のように話す。
「お金がすべてではないかもしれませんが、しかし現実にはお金は大切なものです。私は、実際に豪邸を訪れることで、子供たちの中にお金への情熱や信念が芽生えると思っています」
また別の父親は、「息子が10歳の頃に高級住宅地やモーターショーに連れて行ったが、その息子は今では工場の経営者になった」と話している。
こうした豪邸ツアーは、中国では頻繁に開催されており、珍しいものではない。豪邸ツアーの現場で働くスタッフは「週末には、50組ほどの家族が訪れ、親たちが子供に夢を持つことを教えようとしています」と話している。
一方で、豪邸ツアーに否定的な人たちもいるようだ。台湾の新聞、中国時報の英語サイト「Want China Times」によると、ある中国人ブロガーは、ミニブログの「新浪微博(シナウェイボー)」に「なんて薄っぺらい教育方針なんだろう」と書き込んでいる。
しかし、コメントに対して「お金が重要な意味を持つ世の中で、富を追求するよう子供たちに教えることは間違ったことではない」と反論してツアーを擁護する人たちもおり、賛否両論あることが分かる。
この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:湯本牧子/ガリレオ]
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