新国立競技場、白紙見直し後のプランは結局いくらになるの?

650億円で済むという識者も。

2520億円という巨額の建設費で批判を浴び、安倍晋三首相の政治決断で白紙見直しとなった新国立競技場は、いったいいくらになるのか――。

日経新聞電子版によれば、7月28日、麻生太郎副総理・財務相は当初予算の約1300億円がひとつの目安との見方を示した。この当初予算の根拠は、約600億円で建設した日産スタジアムをベースに試算。海外のスタジアムを参考に積算した額だという。

環境計画・政策を専門とする原科幸彦教授は、透明性あるプロジェクト推進を主張。専門家とステークホルダーがともに参加し計画を決める「ハイブリッド会議」をすれば、2012年ロンドン・オリンピックと同等の650億円程度で作れるとしている

また、構造家の渡辺邦夫さんは開閉式屋根を付けても約800億円と試算する。

12年のコンペに応募した構造家の渡辺邦夫さんは、「約800億円」とはじく。渡辺さんらのチームがコンペに出した設計案の総工費は概算で1246億円。そこから、必要ない機能と金額を洗い出した。地下駐車場の工費や材料費80億円▽開閉式屋根の本体と機械50億円▽可動式の観客席と天然芝の構造物と機械計20億円。さらに、空調や照明などの設備、床や天井などの仕上げ材、柱や梁(はり)の材料のグレードを下げ270億円削減。細部も合わせ計約440億円安くなる。

はじまりは1300億円だった 新国立の相場はいくら?:朝日新聞デジタル 2015/07/28 10:05)

新国立競技場の建設費は計画が持ち上がった2011年当初、1300億円を目安としていたが、コンペで選んだザハ・ハディド氏の案のまま作ると3000億円近くかかることが判明。2014年5月に、プロジェクトを進める日本スポーツ振興センター(JSC)がハディド氏の原案を修正し、1625億円の規模に縮小した。しかし2015年5月に、労務費や資材の高騰によりこの案でも2520億円がかかることがわかった。7月7日にはこの案でそのまま建設されることが有識者会議で決まったが批判が集中し、16日、安倍首相がこの案を白紙撤回することを発表していた。

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