1月26日にはじまった第189通常国会が、9月25日、事実上閉会した。期間は245日間に及んだ長い長い国会となった。
安倍首相は当初、経済再生などに取り組む「改革断行国会」を訴えていたが、5月以降は「安保」一色となった。与野党の対立が激化したことで、政府が提出した法案75本のうち、成立したのは66本。成立率は88%だった。
■改正派遣法、女性活躍推進法などが成立
「安全保障関連法」のほか、派遣労働の期間制限を一部撤廃する「改正労働者派遣法」、従業員301人以上の企業に女性管理職の割合など数値目標の設定と公表を義務付ける「女性活躍推進法」、75歳以上のドライバーの認知症チェック体制を強化する「改正道路交通法」などが成立した。
一方で、働いた時間ではなく成果に応じて賃金を決める「労働基準法改正案」や、取り調べの可視化や司法取引の導入などを柱とする「刑事司法改革関連法案」などは、次期国会以降に持ち越しになった。
■ヘイトスピーチ規制法案などが見送りに
特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチを禁止する「ヘイトスピーチ規制法案」の採決は見送られた。
■「アベノミクスは第2ステージへ」
国会の事実上閉会を受けて、安倍首相は25日、記者会見。安保法について「戦後70年守り続けてきた、この不戦の誓いをより確かなものとしていく、そのための強固な基盤を作ることができた。戦争を未然に防止し、地域の平和と安定を確固たるものとする。それが平和安全法制だ」と説明した。さらに、「世界のたくさんの国々から支持する声が寄せられている」として、「“戦争法案”といったレッテル張りを行なうことは、根拠の無い不安をあおろうするものであり、全く無責任だ」などと主張した。
また、「アベノミクスはいよいよ第2ステージ、本丸攻めへと移っていく」として、24日に発表した新しい「3本の矢」について触れ、「少子高齢化という構造的な課題にチャレンジする、一億総活躍の時代を作り上げていくための新たなスタートを切りたい」などと述べた。
【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー