「クロネコヤマト」を展開するヤマト運輸が11月12日、日本郵便は優遇措置を受けすぎているのではないかとする意見広告を、全国54紙に掲載した。特設サイトも開設し、日本郵便の郵便事業は黒字であるのにもかかわらず、政府からの更なる優遇措置が受けられるようになるのはおかしいと訴えている。
ヤマト運輸は広告の冒頭で、「郵便業務」は水道や電気などと同様の公共的な「ユニバーサルサービス」であり、サービスの維持を義務付けられている代わりに、税の軽減など優遇措置が受けられることを紹介した。
その上で、日本郵便の受けている優遇について、次の点を指摘した。
・日本郵便は「郵便業務」だけでなく、「荷物を運ぶ仕事」においても優遇されているのではないか。
・日本郵便の「郵便業務」への優遇が、どのように計算されているのか、国民は知らないのではないか。
・日本郵便の「郵便業務」が、「荷物を運ぶ仕事」に業務を拡大し、さらに優遇を受けている。これは、他の宅配便事業者にとっては不公平ではないか。
ヤマト運輸は、これらの意見をまとめたホームページも開設。総務省の情報通信審議会が9月28日に発表した「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」という最終答申が、日本郵便に対しこれまでの優遇措置に加えてさらなる優遇措置を実施すべきとの内容になったことを挙げて、次のように指摘。「『公平・公正な競争』がお客さまにとってさらに便利なサービスを生み出し、経済全体のプラスになると信じています」と呼びかけた。
私たちは国民生活に不可欠なユニバーサルサービスの維持があらゆる経営努力によっても難しい場合は、その範囲を明確にした上で、「最小限」の優遇措置を講じるのは、やむを得ないと考えています。(中略)
日本郵便が7月31日付で発表した「業務区分収支(2014(平成26)年度)」では、ユニバーサルサービスである「郵便業務等」「銀行窓口業務等」「保険窓口業務等」の各事業は全て黒字であり、赤字である「その他事業」を含め、全体でも黒字となっています。
黒字の「郵便業務」に、なぜ優遇措置が必要なのでしょうか
(いい競争で、いいサービスを。|ヤマト運輸より 2015/11/12)
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