COP21とは? 待ったなしの気候変動、世界の指導者はパリで何を話し合うのか

今回のサミットが失敗に終わったら「次の策」は存在しない。
PARIS, Nov. 30, 2015-- Chinese President Xi Jinping, eighth left in second row, poses for a group photo with other participants during the United Nations climate change conference in Paris, France, Nov. 30, 2015. (Xinhua/Ma Zhancheng via Getty Images)
PARIS, Nov. 30, 2015-- Chinese President Xi Jinping, eighth left in second row, poses for a group photo with other participants during the United Nations climate change conference in Paris, France, Nov. 30, 2015. (Xinhua/Ma Zhancheng via Getty Images)
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11月30日、世界の100か国以上の指導者たちが、拡大し続ける気候変動の問題を解決するため、残された最後の取り組みを話し合うためにパリに集まった。第一線の科学者たちも多く参加している。前例のない事態を食い止めるため、数十年にわたって温室効果ガスの排出量削減を世界中の国に促してきた科学者たちだ。

このサミット、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)では、世界で最も二酸化炭素を排出している国の指導者たち、つまりアメリカのバラク・オバマ大統領、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、中国の習近平・国家主席、インドのナレンドラ・モディ首相が会談している。環境問題に関わってきた人々は、これらの国が二酸化炭素の排出を削減する策を打ち立て、経済を停滞させるような影響を与えることなく、再生可能エネルギーへの投資を増やすことを期待している。というのも、気候変動への取り組みは健全な投資だからだ。

今回のサミットは切迫した事態に直面している。2014年は気候の記録が始まって以来、史上最も暑い年となった。世界中の氷河はこれまでにない速さで溶けている。そして海の中では異常な海水温の上昇で、サンゴ礁の白化現象が起きている

これらの現象は、気候変動が人類の存続に影響を及ぼしかねないという警告でもある。氷河が溶けて海面が上昇し、世界の大都市が水につかる可能性がある。夏はこれまで以上に暑くなり、都市によってはヒートインデックス(熱指数:気温と湿度から導き出す。125以上は「極めて危険」とする)が170を超える日もあるため、避難せざるをえなくなる場所もある。

それでも、まだ行動するための時間はある。

今回のサミットの参加国は、科学者が提唱する、最悪の事態を避けるための数字まで二酸化炭素の排出量を制限し。そのためのすぐに実行できる戦略を徹底的に議論しようとしている。産業革命前からの温度上昇を2度以内に抑えようという数字には賛否両論あるが、気候変動は非常に現実的な問題だという意識が世界で高まっていることの現れだ。

オバマ大統領は自ら「楽観的だった」と振り返る。過去のサミットで参加国全てが納得できる方針を立てられず、世界はより深刻な状況になった。

二酸化炭素の大量排出国のいくつかは、中国やインドなど、他国よりもずっと多く排出している国があるにもかかわらず、全ての国に同じような取り組みを要求してきた。そして気候変動の被害に直面している、海面の上昇に伴い急速に水没が始まっているキリバスなどの島国は、大排出国を批判してきた。

■温暖化で危機にさらされる動植物

毎年、気候変動で多くの動植物が生息地を失っている。地球の気温が平均で4度上昇すれば、ほぼ3分の2の植物と、3分の1の哺乳類が生息地を失う。

もしパリに集まった国々がすべて二酸化炭素の排出量を削減しても、多くの地域は気候変動に伴う危機にさらされる。海岸近くや乾燥地帯に住む人々は生活が壊滅的に脅かされる。洪水や干ばつはさらに当たり前のことになる。

しかしオバマ大統領の楽観的な考えは、気候変動の問題に対する国際的な関心への高まりを反映しているようだ。国連からバチカンまで様々な団体がこの意見には賛同している。そして、これまで気候変動への取り組みに反対してきた、ロシアオーストラリアなどの国々もCOP21に参加する。

アメリカ国内は気候変動への関心はさほど高くないが、他の多くの国は適応する準備はできている。欧州連合(EU)の気候問題担当委員は、今回のサミットが失敗に終わったら「次の策」は存在しない、と2015年の初めに話している。

「この気候変動の問題は人類にとって、非常に意義のある学びの場だと思います」と、気候変動枠組み条約のクリスティアナ・フィゲレス事務局長が、2015年の初めにニューヨーカーに語った。「今は、国同士が切り離せない関係になっており、1つの国の行動が他の全ての国に影響を与えてしまうのです」

世界各地では気候変動に伴う深刻な影響がすでに出ている(図表:英語)。COP21は11月30日から12月11日まで開催される。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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