民進党が発足 SEALDs奥田愛基さん「声になってない声に、もっと耳を傾けて」(発言詳報)

民主党と維新の党が合併した「民進党」が3月27日、東京都内のホテルで結党大会を開き、正式に発足した。
niconico

民主党と維新の党が合流した「民進党」が3月27日、東京都内のホテルで結党大会を開き、正式に発足した。

「野党勢力を結集し、政権を担うことのできる新たな政党」「国民の信頼に支えられ、国民とともに進む、真の意味での国民政党となる」とする綱領を採択し、岡田克也代表(旧・民主党代表)や、代表代行に江田憲司氏(維新の党前代表)、長妻昭氏、蓮舫氏(ともに民主党代表代行)、政調会長に山尾志桜里氏らを起用した執行部人事が承認された。「改革結集の会」から衆院議員4人、無所属の水野賢一・参院議員らが合流し、衆参で計156人の勢力となる。

代表に選ばれた岡田氏は「安倍政権のもとで、表現の自由、知る権利といった憲法の保障する基本的な権利すら脅かされ、根幹である平和主義がないがしろにされています。民進党は安倍政権の暴走を止めなければなりません」と、安倍政権への対抗心を打ち出し「政権与党として十分な期待に応えられなかったこと、大事なときに結束できなかったこと、離合集散を繰り返したことを深く反省します」「日本に政権交代可能な政治を実現するためのラストチャンスであるという認識を持たなければなりません」と表明した。

また、来賓として、安保関連法に反対する学生団体「SEALDs」の創設メンバー、奥田愛基さんが登壇し「若者の声を聞いて欲しい」と訴えた。以下は発言詳報。

------

「何で僕がこんなところに立っているのか。こんなところであいさつするような柄じゃないんですけど、頑張ってほしいということです。なんですけど、何て言うんですかね、国民の声がなくて議員の方が頑張っているときには、大概いいことが起こらないんですね。逆に国民の声が上がっているのに、政治家の方が応えないということは、とても悲しいことであり、それでは日本の政治は変わらないんだと思っています。

昨年、安保法制に対してSEALDs、並びに本当に多くの方が声を上げた。それは政治家の方に頑張ってほしいという声だけでなく、政治家に任せていられないということなんだと思います。

しかし、安保法制が通ったときに、僕は国会前にいました。僕は国会内の音を中継で、そのままスピーカーで流していました。今でも忘れません。あまり音質のいいスピーカーじゃなかったんですけど、一人一人国会議員の名前が読み上げられ、採決された瞬間のことを。しかしですね、一つうれしかったことがありました。そのときに、「憲法違反」というコールが国会の外ではなく、国会の中から聞こえてきました。そのコールを僕はすごく覚えています。それに呼応するように、僕たちはコールを、声を上げました。政治家の方が本当に頑張ってくれている。そういうことがうれしかったということは、僕は人生、なかったように思うんですね。声を上げることでどうせ変わらないよ、という人がほとんどの中で、自分たちが声を上げることによって、政治家の人が応えてくれた。それがテレビの中継で流れていた。

僕が中央公聴会でスピーチしたときに、僕の目の前の与党の議員の方は寝ていました。はたして国民の政治離れなんでしょうか。それとも政治の国民離れなんでしょうか。この責任は俺たちにあるんでしょうか、それとも政治家の皆さんにあるんでしょうか。僕はその責任を引き受けたいと思います。この国に生きる一人の人間として、この国の責任を引き受けたいと思います。

しかしですね、「自己責任」という言葉がありますよね。僕はその言葉が非常に嫌いです。つまり、例えば「保育園落ちたの私だ」という声を上げると、「そんなの子供を産んだお前の自己責任じゃないか」という人がいます。でも、だとしたら、何のために社会はあるんでしょうか。何のために政治はあるんでしょうか。何のためにこの国はあるんでしょうか。

我々一人一人の暮らしのために政治はあるべきであって、「お前のせいだ」と言うために政治はないはずだと思うんです。政治は開かれたものであってほしいと僕は思うんです。きっと思うことはたくさんあると思います。それが政治的な言葉になっていないだけで、この国の今は、どこかおかしいと。で、その声になってない声にも、もっともっと耳を傾けてほしいと思います。

いま相対的貧困が6人に1人、保育園の待機児童が東京だけでも2万人以上いると言われています。そんな社会の中で自己責任といわれても、僕は「何か変だな」と思うんです、単純に。女性の活躍と言っておきながら、女性と男性の賃金はなぜこんなに違うんでしょう。なぜここに、目の前にいる人はほとんど男性なんでしょう。おかしくないですか。男性と女性の賃金はイコールであってもいいと、僕は思います。

今年は18歳選挙権ということもあって、すごく若者の投票率がどうこうということが話題になると思うんですけど、ぜひそういうことを、選挙の争点だからとか、話題になるからということではなく、若者の声を聞いてほしいなと単純に思います。で、そうであるならば、被選挙権も下げてほしいなと僕は強く思っています。18歳が考えて選挙に行けというんであれば、18歳が国会に行ったっていいじゃないですか。

民進党が、民とともに進む、国民とともに進むというスローガンが噓じゃなくて、本気で言ってほしいなと思います。僕らはアホじゃないです。僕らはバカじゃないです。この政治家がウソをついているか、本当のことを言っているか、何となく喋っているのを聞いたら分かります。だって、みんなだまされているんだったら、戦後最低の投票率にならないでしょう。僕たちは政治家の人たちに対して「ありがとう」と言ってみたいです。単純に応援したり、「頑張ってください」と言ってみたいです。そして僕たちも頑張ります。よろしくお願いします。

注目記事