304人が死亡・行方不明となった韓国の大型旅客船「セウォル号」沈没事故から、4月16日でまる2年となった。船体の引き揚げ作業が続く中、ハフポスト韓国版は4月8~9日、引き揚げを監視している遺族の団体「416家族会」を取材した。
416家族会は2015年9月、セウォル号の引き揚げ準備作業の開始後、沈没地点から約1.6km離れた東居次島(トンゴチャド)で引き揚げを監視している。
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海を見つめていた「イェジンのパパ」は、誰に話しかけるでもなくつぶやいた。
「2年前の事故が起きてから4月16、17、18日。救助作業が止まっていた。私たちはずっと(救助してくれと)言い続けなければならなかった。でも聞いてもらえなかった。今もそう。本当のことを話そうとしても信じてもらえない。10分も聞いてくれない。5分で説明しなきゃいけないから、早口になり、声も高くなり…」
東居次島で泊まり込んでいる父親たちは、みんな体を壊していた。
39歳で結婚してできた一人娘、ソヨンを亡くした父親は、夜も眠れず酒に頼る日が多い。
「昔は一生懸命、働いてたんだ。ソヨン1人しかいないから、何とかして支えようと…でも今になっては、働いたってなんの意味もない」
テントの外で、「ユンミンのパパ」が語った。
「兄が去年、ここに来た時、海に飛び込もうとしたんだ」
「もともと、感情のコントロールは上手な方だった。でも今は、時と場所を問わず涙が出る。自分はまだ家族がいるからましだが、大変な人も多いですよ。もともと片親の家の人は、助けてくれる家族が近くにいない場合は、家の中で酒に頼って一日を過ごす人がたくさんいます。2年ですべて、めちゃくちゃになってしまった」
CBS放送と安山精神健康トラウマセンターが発行した「セウォル号遺族 初の実態調査報告書」によれば、遺族152人のうち、55.3%が「死にたい」と思っていると答えた。一般の「自殺衝動率」の10倍にのぼる。
この記事はハフポスト韓国版に掲載されたものを翻訳、要約しました。
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