「たこつぼ心筋症」とは? 熊本地震の被災地で発症の恐れも

「たこつぼ心筋症」とはどんな病気か。

熊本地震の発生から1週間。強い地震が続いている熊本県と大分県では、余震などを恐れて、駐車場などに止めた車の中で寝泊まりする状況が続いている。

被災者の中には、「エコノミークラス症候群(急性肺血栓塞栓症)」の発症例が報告されているが、それ以外に「たこつぼ心筋症」の発症も懸念されている。「たこつぼ心筋症」とはどんな病気か。以下にまとめた。

■「たこつぼ心筋症」とは

「たこつぼ心筋症」は、心臓の左室心尖部に無収縮領域が認められ、左室が「たこつぼ」の急激にしぼむ病気で、突然の胸の痛みや息苦しさ、全身のだるさなどの症状が出る。

発症前に、心因的ストレスや身体的ストレスを認めることが多いという。閉経後の高齢女性に圧倒的に多いのも特徴だ。

「たこつぼ心筋症」は、1990年に日本で初めて報告された。2004年に発生した新潟中越地震では発症数に増加したことが報告されている。東日本大震災後にも多数の症例があったという。

たこつぼ心筋症例の冠動脈造影初見。左下の収縮末期像がまるでたこつぼのように見える

■予防法は?

発症の仕組みはよく分かっておらず、予防法も確立されていない。ストレスが影響しているとされるため、なるべくストレスを取り除くことが予防や治療につながる。もし症状が出たら、すぐに医師に診てもらうことが重要だ。

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