アウンサンスーチー氏「憲法改正、信念あれば実現できる」 都内で会見

来日中のミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問兼外相は4日、都内で会見し、自身が事実上のトップを務める現政権中に憲法改正を実現したい意向を示した。
Wataru Nakano

日本を訪れているミャンマー新政権の事実上トップ、アウンサンスーチー国家顧問兼外相は11月4日、都内の日本記者クラブで記者会見し、軍の権限を保障する現行憲法について「強い信念があれば、憲法の改正は実現できる」と述べ、改憲に意欲を見せた。

スーチー氏は会見冒頭、来日中に示された日本政府からの経済支援に対して謝意を示し、「日本が戦後に達成したような経済発展をミャンマーも達成できないはずはない」と話し、日本の経験を参考に民主化と経済成長を進めていく決意を示した。

また、スーチー氏は現行憲法のもとで一定の民主化が進んだとしつつも「第一に少数民族などとの和平の実現が必要であり、憲法の改正にも取り組みたい」「民主化はまだ完成していない」と強調、現政権中に改憲を実現したいとの意向を強調した。

ミャンマー西部ラカイン州で10月、武装集団と治安部隊との間で戦闘が発生。治安部隊が少数派イスラム教徒「ロヒンギャ」の集落で「掃討作戦」を展開、地元住民への人権侵害が起きているとの批判が出ている問題については「何が起きたかを調査し、法に基づき対処する」と答えるにとどめた。

8月に東南アジア諸国連合(ASEAN)域外で初の外遊先として中国を訪問したスーチー氏。中国との関係について「極めて良好で、さらに良くなってほしいと思っている」「敵対的な国を作りたくない。日本とも他の国々とも友好関係を持ちたい」と述べ、日中双方とバランスを保って関係強化していく考えを示した。

スーチー氏の来日は2013年4月以来で、15年11月の総選挙を経て16年3月に自身が率いる国民民主連盟(NLD)主導の政権が発足してからは初。5日に帰国する。

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