「完璧な子育てなんてない」とわかってはいても、子育てをしている時には一つ一つの行動を周りから評価されているような気持ちになるかもしれません。
母乳で育てなきゃ子供がかわいそう? 産後の体型ってみっともないって思われてるの? SNSには、そんな多くの親たちの声があふれています。
彼らの声が社会を変える原動力になることもあります。2016年に共感を呼んだ親たちの声を振り返ってみましょう。
母乳にとらわれなくたっていい
オーストラリアに住むシヴォーン・レニーさんは、娘にうまく母乳を飲ませられず、ミルクで育てるという選択をしました。
そのことに罪悪感を感じ、産後うつに苦しんだレニーさんは、同じ悩みを抱えたお母さんたちのために、Instagramで「罪悪感なんて感じる必要ない」と呼びかけました。
「4カ月で、母乳を諦めなければいけませんでした。それはとてもつらい決断でした」
「8カ月になる今でも、簡単に諦めてしまったんじゃないかと思うことがあります。そうじゃないということはわかっているんですが、ついつい自分に厳しくしてしまいます……」
「だけど、安全で栄養のあるものをあげているのであれば、どんな形で授乳するかは、問題ではありません」
「母乳で育てるかどうかに関係なく、私たちは、自分と自分の家族にとって一番いい選択をすればいいんです」
レニーさんの投稿に「読んで、思わず泣いてしまいました。私たち母親は、赤ちゃんに一番良いものをあげたいと望んでいますから」「強くて愛情にあふれるお母さんがいて、娘さんは幸せですね。それが一番大事なことだと思います」というコメントが寄せられました。
産後の体は、恥ずかしくなんかない
4カ月の息子を連れてプールを訪れたアメリカ・ミズーリ州に住むレクシー・シンクレアさんは、50代半ばと思われる女性からあるアドバイスを受けました。
その女性はビキニを着ていたシンクレアさんに、子供を産んでまた体型が戻っていないお母さんのビキニ姿は、周りの男性は居心地悪くするだろう、ワンピースの水着にした方がいい、と伝えたのです。
それを聞いたシンクレアさんは、こう答えたとFacebookに投稿しました。
「私は自分の体を誇りに思っています。1年で50ポンド(約23キロ)も体重が増え、そして37ポンド(約17キロ)も減ったんです。これは子供を生むという奇跡を起こした体です」
「私の体は、男性にとって魅力的ではないかもしれないし、妊娠線やお腹の肉は、セクシーとはほど遠いかもしれません。だけどこれは、素晴らしい経験した証しなんです」
学校に行くだけが、教育じゃない
子供ができたら長期間の旅に出るなんて無理、普通はそう思ってしまうかもしれないけれど、ママブロガーのコートニー・アダモさんは、そう考えていません。
コートニーさんとパートナーのマイケルさんは、11歳のイーストン、9歳のクイン、7歳のアイビー、そして3歳のマーロウを連れて、1年間旅に出ることにしました。その旅の様子を紹介するInstagramは、多くのいいね!がついています。
子供たちを連れて旅に出た理由を、コートニーさんはハフィントンポストUK版にこう語っています。
「マイケルと私は、必ずしも決められた教育システムに沿って、子供を育てなければいけないとは考えていません」
「いい成績を取ることだけに一生懸命になるのではなく、遊びや生活から学び、クリエイティブになって欲しいと考えています」
ジェンダーにとらわれない子育て
アメリカ・ペンシルベニア州に住むデヴォン・ヴェリヤンさんは、6歳の息子が、自分に正直に生きることを望んでいます。
だから、彼がマニキュアをしていることを学校でからかわれたと知った時、ヴェリヤンさんは、息子のために立ち上がりました。
Facebookにヴェリヤンさんはこう綴っています。
「息子は、女の子の服やバレリーナの衣装を着るのが好きです。学校で、どの男の子が好きなのかを教えてくれ、その子と結婚して養子をもらうんだと話しています。大きくなれば気持ちは変わるかもしれませんし、変わらないかもしれません。私は息子を心から愛しています。そして、ありのままの彼を受け入れることで、彼を傷つける心ない言葉やいじめから、息子を守ることができると思っていました。だから心配はしていませんでした」
しかし、友達にからかわれたと聞いた時、初めてマニキュアを落としなさいと言った方がいいのでは、と悩んだそうです。そうしなければ、息子を守れないのではないかと思ったから。
ですが、あるがままの自分でいなさいと励ましてきたのは息子に幸せになってもらうためだったと思い出したヴェリヤンさんは、お店に行き、息子のためにマニキュアとバレリーナの衣装を買ってきました。
そしてFacebookで「息子を受け入れる世界になるよう、力を貸して欲しい」と呼びかけたのです。息子を愛する母親の投稿は共感を呼び、現時点で約3万シェアされています。
ハフィントンポストUK版に掲載された記事を翻訳・編集しました。
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