三菱重工業は1月23日、半世紀ぶりとなる国産旅客機「MRJ」について「2018年半ば」としていた航空会社への納入時期を「2020年半ば」に延期すると発表した。納入延期は5回目となり、事業は正念場を迎えている。
共同通信によると、開発費が現在の想定よりも3~4割増える見通し。安全性を高めるため、機体の設計変更が必要だと判断したという。都内で記者会見した三菱重工の宮永俊一社長は「長い事業展開のため、よりよい結果をもたらすだろうという判断のもとに(設計変更を)決断した」と説明した。
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■MRJとは?
MRJの正式名称は三菱リージョナルジェット。その名の通り、三菱重工のバックアップの元、子会社の三菱航空機が開発している。採算が取れず1973年に製造中止となったプロペラ機「YS-11」以来、半世紀ぶりとなる国産旅客機だ。全長は約35m。旅客機としては小ぶりだが、78〜92人の乗客を乗せることができる。最大巡航速度はマッハ0.78(時速830km)だ。
航続距離は最大3300kmで、東京からはグアム、台北、上海、北京をカバーできる。ヨーロッパやアメリカ合衆国では全域を飛行できる計算で、世界各国の大都市のハブ空港と地方空港を結ぶ「リージョナルジェット」の分野への参入となる。
小型機市場ではブラジルのエンブラエル社、カナダのボンバルディア社の2強が圧倒的なシェアを持っている。国家プロジェクトとして、日本政府も500億円の開発予算をつぎ込んだ「日の丸ジェット」が、どこまで世界市場に食い込めるか注目されている。
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■関連スライドショー(MRJ画像集)
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