セクシュアルマイノリティに関する専門シンクタンク「LGBT総合研究所」は2月8日、「職場や学校などの環境における意識行動実態」を発表した。2016年5月に行われた、LGBTなどを含む性的マイノリティに関する意識行動調査の結果をまとめたもの。
発表によると、調査の対象者となったLGBT層828人のうち、約60%が「LGBT に対する社会の理解は誤ったものが多い」と感じているという。
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また、友人や家族にLGBTであることをカミングアウトしたいという意向を持つ人は41.5%に上る一方で、カミングアウトしているのはごくわずかだという実態も浮かび上がった。
調査に応じたセクシュアルマイノリティ当事者からは、日本社会の性的少数派への理解度の低さを浮き彫りにする具体例として、映画やテレビなどのメディアにおける「オネエ系」キャラクターの扱い方に疑問を呈する声や、公共のトイレ利用の困難さを訴える声などさまざまな意見が挙がっている。
各質問事項に対する回答の結果や集まった意見は、以下の通り。
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(回答者の意見)
- 「日本国内では全てにおいて不満がある。海外に比べ、根の深い差別意識を感じます」
- 「一般人の理解が低い。ネットなどでの情報に踊らされてLGBTについて勘違いをしている人が非常に多いと感じる」
- 「30代以上の方の理解。特に男性からの理解が少ない。おねえ系タレントも数多く活躍していますがビジネスでしかでていないと言う感じ」
- 「(映画の)色々な作品中で色物扱いされたものが多い。自然な登場人物として描かれてほしい」
- 「差別や偏見というよりも、それぞれ当事者、当事者以外の人が歩み寄る勇気が少ないように思う。自分から手を差し伸べるという空間が必要で、それを伝えたいく術が必要だと思う」
(回答者の意見)
- 「会社の福利厚生がLGBTの存在を想定していないことが多い」
- 「生命保険の受取人等で親族以外にすると不審に思われる。会社側からすると確認すべき点は多々あるのだろうが、あまり気分は良くない。最終的には諦めて親族の名前を書くことになる。何らかの対応があるといいと思う」
また、調査では「LGBT当事者にとって必要なものなのに、存在していない(十分でない)商品やサービスなどはありますか」という質問で回答者から意見を募っている。当事者からは、以下のようなさまざまな回答が寄せられた。
- 「トイレ。とにかくこれが大変です」
- 「LGBTを診断してくれる病院が少ない」
- 「入浴施設やサウナなど肌を露出する所では専用の部屋を用意して欲しい」
- 「美容器具が女性中心な感じがする」
- 「アンダーウェアーが普通の店では買いづらい」
- 「性転換手術(性別適合手術)の保険適用制度」