余命わずかな患者に最後の願いを 病院の規則破った看護師の思いやり(画像)

「とても居心地の良い、リラックスした雰囲気でした」

デンマークの看護師たちが、75歳の男性の最後の望みを叶えるため、病院の規則を破った。

オーフス大学病院の医師たちは、カーステン・フレミング・ハンセンさんに、容態が悪化し手術ができないこと、大動脈瘤の内出血によりあと数日の命であることを告げた。するとハンセンさんは、最後にやりたかったことを打ち明けた。

それは、夕日を眺めながら、外でタバコを吸い、冷たい白ワインを1杯飲みたい、という願いだった。

病院のFacebookアカウントからの投稿によると、4月4日、看護師たちはハンセンさんをベッドに載せたままバルコニーへ連れ出し、建物が定める厳格な禁煙の規則を破り、ハンセンさんに喫煙を許した。

EN VÆRDIG DØD PÅ HOSPITALET

I dag sov Carsten Flemming Hansen stille ind på Aarhus Universitetshospital.

Få dage...

Posted by Aarhus Universitetshospital on Friday, 7 April 2017

ハンセンさんは壮大な夕日を楽しみ、親しい家族や友人に囲まれ、お酒をゆっくりと飲んだ。

「とても居心地の良い、リラックスした雰囲気でした」と、看護師の1人、リック・クビストさんは語った。「もちろん、患者さんがもうすぐ亡くなるという事実に親族は失望し、悲しんでいました」

病院は7日、ハンセンさんが亡くなった直後、写真をシェアした。投稿はすぐに拡散し、多くの人が看護師たちの思いやりある行動を称賛している。

あなたたちがいる場所は、ただの病院じゃない。人々がまだ夢を抱ける場所だ。たとえ人生が、あらゆる機会を閉ざしたとしても。

まさにこうあるべき。わたしの父のためにもこうしてあげられていたら。ご家族のみなさん、よくやったね。そして思いやりを示した病院のスタッフに敬意をこめて。