前大阪市長の橋下徹氏は7月1日、格安航空バニラエアが車椅子の男性の搭乗をめぐってトラブルになったことに関し、自身Twitterで男性を擁護した。
車いすでの搭乗拒否を受けたのは、大阪府豊中市の木島英登(ひでとう)さん(44)。この問題では、木島さんが車椅子であることを事前に連絡をしていなかったことなどから、木島さんに対する批判の声もあがっている。
橋下氏は、木島さんの一連の対応について「言動は過激。猛批判も食らうだろう」と指摘。それでも、「切磋琢磨を重視し、その土俵に上がれない人には徹底サポート」との自身の政治信条を紹介した上で、「(木島さんは)土俵に這い上がって自立を目指している」と擁護した。
(バニラエアライン問題)①木島氏の言動は過激。猛批判も食らうだろう。ただ僕は「切磋琢磨を重視。その代り切磋琢磨の土俵に上がれない人には徹底サポート」という政治信条で政治をやってきた。木島氏は土俵に這い上がって自立を目指している。
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) June 30, 2017
続く投稿で、「違法行為は許されない」と前置きしつつ、「本来徹底したサポートが必要かもしれない人が必死に土俵にあがって自立を目指しているなら、多少の過激さがあってもいいじゃないか」と、木島さんの対応に理解を示した。
その上で、「応援の声が完全になくなると土俵から降ろされてしまう」と述べ、木島さんに対して注意を促した。
(バニラエアライン問題)②違法行為は許されないが本来徹底サポートが必要かもしれない人が必死に土俵に上がって自立を目指しているなら多少の過激さがあってもいいじゃないか。ただ応援の声が完全になくなってしまうと土俵から降ろされるので今後はそこは注意して欲しい。
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) June 30, 2017
橋下氏は、この問題に対してたびたびTwitterで発言している。6月29日には、木島さんが車いすであること事前に伝えなかった点について、連絡の有無に関わらずバニラ側が対応できなかったことを指摘。「ほんのちょっとの準備(ストレッチャー)でいいのに、対応不可能ということであればバニラの非の方が強くなる」と批判した。
バニラ側が騒動後、ストレッチャーを導入したことにも触れ、「経営に影響する話でもなければ、一般の乗客コストに添加する話でもない。ちょっとやればできたことをやっていなかっただけ」と指摘した。
バニラの関空奄美線が事前連絡があればきちんと対応していたのであれば事前連絡が必要なのでしょうね。ただこの線では事前連絡があったとしても搭乗拒否していたようです(乙武さんブログ中・毎日新聞取材より)。つまり全く対応しない、と。これを変えさせるには世間への訴えが必要でしょう。 https://t.co/U3XfnWsCUx
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) June 30, 2017
「事前連絡があればきちんと対応できる。今回は事前連絡がなかったので対応ができない」というのであれば、木島氏の非が強くなる。しかし「対応するのにほんのちょっとの準備(ストレッチャー)でいいのに事前連絡があっても対応不可」ということであればバニラの非が強くなる。今回は後者の模様。 https://t.co/U3XfnWsCUx
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) June 30, 2017
https://t.co/lb9LtJgeh4
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) June 30, 2017
この件でバニラの経営が悪化したり乗客のコストが著しく上がったりすれば色々考える必要があるが単にストレッチャーを導入すればいいだけでバニラはそのようにした。木島氏の行為を非難している連中は何か一つでも世の中を前進させたことがあるの?
https://t.co/lb9LtJgeh4
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) June 30, 2017
当時の関空奄美線では事前連絡を入れても搭乗拒否。そしてバニラはこの件をきっかけにストレッチャーを導入して対応。LCCの経営に影響する話でもなければ一般の乗客にコスト転嫁する話でもない。ちょっとやればできたことをやっていなかっただけ。
木島さんは6月5日、奄美空港から関西空港に向かうバニラエア便に搭乗する際、「同乗者の手伝いのもと、階段昇降をできるなら」という条件を出された。同行者が車いすを抱えて上がろとしたが制止されたため、タラップの階段を降り、1段1段這い登った。職員からその搭乗方法も「ダメだ」と言われたが、木島はそのまま搭乗した。
バニラ社は16日、木島に対して「不快な思いをさせて申し訳なかった」と電話で謝罪。奄美空港でアシストストレッチャー(座った状態で運ぶ担架)の使用を14日に開始し、階段昇降機も29日に導入するなどの対応をとった。
橋下氏の発言に対して、Twitter上では「違和感がある」「考え方は分かりますが、やり方ですよ」「許容されてても良いレベルの過激さ」「ここまで過激にやったから勝ち得たという見方ができると思います」といった声が広がった。