ネパール・アチャム郡で、1月8日、生理中の女性を小屋に隔離する「チャウパディ」中に死亡した女性(23)が発見されたと警察が発表した。現地メディアカトマンドゥ・ポストなどが報じた。煙の吸引による窒息死とみられるという。
1月8日の朝、小屋の隣人が女性の様子を見に行ったところ、死亡していた。外が寒かったため、女性は暖を取ろうと、火をつけたらしい。小屋の中には煙が充満しており、眠っている間になくなった可能性があるという。
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チャウパディとは
チャウパディとは、ヒンドゥー教に基づき、生理中の女性や出産後の女性を「不浄」とみなして隔離・監禁する慣習。
ネパールでは2005年、チャウパディは女性の権利侵害だとして、最高裁が政府に対して廃止を要請した。2017年8月に政府では、チャウパディを犯罪として規制し、実行した者に対して、刑罰を科す法案が可決されている。
しかし一方で、ネパール西部などの一部地域ではまだこの慣習が残っており、2017年にも15歳と21歳の2人の女性が亡くなっている。
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チャウパディ中の女性は、家から離れた小屋に監禁され、そこでの寝泊まりを強制されるという。
日本にも「月経小屋」の慣習
生理中の女性を不浄とみなす慣習について、歴史社会学者の田中ひかる氏は世界中で同様の考え方がみられると指摘。日本でも、1960年代まで福井県敦賀市白木で「月経小屋」の習慣が見られたことを紹介している。
また、ネパールでの問題については、罰則強化と同時に「女性たちに衛生的な生理用品を頒布する必要がある」と論じている。