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2018年04月12日 19時53分 JST | 更新 2018年04月12日 20時27分 JST

トランプ大統領「ミサイルが来るからな」 ⇒ シリア攻撃予告の真意とは?

シリア攻撃について、知っておくべき4つのこと。

Carlos Barria / Reuters

内戦が続くシリアで4月7日(現地時間)、シリア軍が反政府勢力への攻撃で化学兵器を使用した疑惑を受けて、アメリカのトランプ大統領は、シリアへの軍事行動を示唆している。

トランプ氏は11日、Twitterでシリアを狙った「ミサイルが来るからな」と、踏み込んだ表現で攻撃を示唆した。しかし、公式発表は今のところない。

ロシアはシリアを狙ったミサイルは全て撃ち落とすと断言している。ロシアよ、備えは怠るなよ。ミサイルが来るからな。精密で新型で「高性能」だぞ!自国民を毒ガスで殺して楽しむようなケダモノとは縁を切った方がいいぞ。

残虐行為と報じられている事件について知っておくべきこと、そして今後アメリカがどう対応する可能性があるのかをまとめた。

何が起きたのか?

化学兵器を使ったとみられる攻撃があったのは、首都ダマスカス近郊の東グータ地区の町ドゥーマだ。7日の攻撃で、男性、女性、子供を含む40人以上のシリア人が死亡した。犠牲者の中には塩素臭の立ち込める家でうずくまり、口から泡を吹いた状態で見つかった人たちもいた

世界保健機関(WHO)は11日、声明で、少なくとも500人が「有毒化学物質にさらされたのと同じ」症状が出て治療を受けたと発表した

東グータ地区は、反政府勢力が死守してきた拠点の一つだった。アサド政権は東グータを奪還するため、この数年攻撃を続けている。数カ月前から攻撃が激化し、2月の空爆では、1週間で死者が500人以上にのぼった。

ニューヨーク・タイムズによると、反政府勢力は8日、シリア政府との間で、ドゥーマの支配地域から撤退し、国内の別の地域に移動するとの合意を結んだとみられる。何万人もの人々がこの地域から離れると見込まれている。

その2日後、中部ホムスにあるシリア空軍基地がミサイル攻撃を受けた。シリア内戦を監視するNGO「シリア人権監視団」は、このミサイル攻撃で14人が死亡したと発表した

Anadolu Agency via Getty Images
救援団体「シリア民間防衛隊」(ホワイト・ヘルメット)によると、化学兵器使用疑惑による攻撃で40人以上が死亡し、およそ500名が負傷した。

責任は誰にあるのか?

国際機関「化学兵器機関」(OPCW)がシリアに向け調査団を派遣する準備を進めているが、具体的な日程は決まっていない

人道援助団体は、ロシアとイランから支援されているアサド政権に責任があると非難している。トランプ氏も、アサド政権の責任だとみているようだ。攻撃直後、「理由なきもう一つの人道危機」の背後にはシリア大統領がいるとツイートした。また彼はアサド大統領に「アニマルアサド」という渾名を付けた。

シリア政府は関与を強く否定し、ロシアは報復を阻止するために厳しい警告を出した。

AFP通信によると、ロシア外務省は「(アメリカが)口実をでっちあげてシリアに軍事介入することは、決して受け入れられない。シリア政府から正式な要請を受けて駐留しているロシア軍兵士がいるからだ。最悪な結果になる可能性がある」と述べた。

9日に起きた空軍基地への攻撃も、誰によるものなのか不明だが、ロシア防衛省とシリアは、爆撃を実行したのはイスラエル軍だと非難した。イスラエル側はまだ反応していないが、AP通信によると、イスラエルは通常、空爆についてコメントはしない。

トランプ氏が前回、シリア攻撃を命令した時は何が起きたか?

2017年4月、シリア北西部イドリブ県でサリンとみられる化学兵器の攻撃により80人以上が死亡した。トランプ氏は、シリアへのミサイル攻撃を命じた。アサド政権の空軍基地に、59発のトマホーク巡航ミサイルが放たれた。

この時の軍事行動は、アサド氏への警告を送る意図があったとされる。当時トランプ氏は、「死に至らしめる化学兵器の拡散と使用を阻止する。これはアメリカにとって重大な、国家安全保障上の問題だ」と述べた。

「我々が対応しなければ、それだけ化学兵器の使用を常態化させてしまう」と、レックス・ティラーソン国務長官(当時)は述べた。

ロシアも反論した。プーチン大統領の報道官は、攻撃が「すでに悪化している米ロ関係に重大な打撃を与えた」と語った。

HANDOUT . / REUTERS
シリア、ホムス県シャイラト空軍基地の上空写真。2017年4月6日、米軍による巡航ミサイル攻撃を発表した後、国防省が公開。

次は何が起こるのか?

トランプ氏は、11日に示唆したミサイル攻撃を含む、複数の選択肢を検討しているとみられる。

ニューヨーク・タイムズによると、ホワイトハウスはより"強固な"戦略を検討しており、軍事行動を拡大させる可能性もある。政府当局は、1年前と同じような攻撃では不十分ではないかと懸念しており、トランプ氏が攻撃目標を広げ、より長期間の作戦を選択する可能性があるという。

トランプ氏は10日、フランスのマクロン大統領、イギリスのメイ首相と個別に電話会談し、両国との共同作戦の可能性について協議した。

ワシントン・ポストによると、シリア軍は警戒態勢に入っており、ありうる攻撃に備えて軍用空港や基地から退避している。

ホワイトハウスのサンダース報道官は10日、会見で「これまで述べた通り、あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と述べた。「しかし、大統領のあらゆる動向について事前に言うことはないし、あるいはシリアで起きていることに対応しない可能性もある」

トランプ氏はシリア情勢に対応するため、ペルーとコロンビアへの外遊を取りやめた。何が起こるにせよ、トランプ氏が望む、シリアから米軍を早期撤退させる計画は大きな影響を受けるとみられる。

ハフポストUS版より翻訳、編集しました。