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2018年06月25日 19時10分 JST | 更新 2018年06月25日 19時23分 JST

ゲイだとバラされ転落死「一橋大アウティング事件」の裁判で、同級生と遺族が和解

同性愛者であるという秘密を、本人の同意なく、第三者が暴露することを「アウティング」と呼ぶ。

「同性愛者であること」を同級生に同意なく口外され、苦しんでいた一橋大学の法科大学院生Aさん(男性・当時25歳)が2015年8月に学校から転落死した。「一橋大アウティング事件」として、大きく注目を集めたこの事件の裁判で、同級生だった男性とAさんの遺族が和解したことがハフポストの取材でわかった。

遺族側は、この裁判で一橋大学側の責任も問うているため、大学側との裁判は東京地裁で続行される。

Aさんが生前、同性愛を暴露されて大学側に相談した際、同級生に求めたのはただひとつ「謝罪」だった。和解をした理由について、Aさんの父親は「和解内容は言えませんが、私たちなりに納得をしたので和解に応じました」と、ハフポストの取材に答えた。

Kazuki Watanabe
Aさんが一橋大学のハラスメント対策委員会に提出した書類、被申立人に求めることの欄にはひとこと「謝罪」と書かれていた。

どんな事件だったのか。これまでの取材から振り返る。

Aさんとこの同級生は、法科大学院に入学して以来の友人だった。Aさんは2015年4月3日、「はっきり言うと、俺、好きだ、付き合いたいです」とLINEで恋愛感情を告白した。それに対し、この同級生は「付き合うことはできないけど、これからもよき友だちでいて欲しい」と返事をした。

しかし同級生は6月24日、クラスの仲の良い友だち数人でつくったLINEグループに、「おれもうおまえがゲイであることを隠しておくのムリだ。ごめんA」というメッセージを投稿した。

同性愛者だという秘密をバラされたことに苦しんだAさんは8月24日、授業を途中で抜け出し、「いままでよくしてくれてありがとうございました」とクラス全体にLINEでメッセージを送った。そして、その直後に校内で転落死した。

アウティング事件として有名に

同性愛者であるという秘密を、本人の同意なく、第三者が暴露することを「アウティング」と呼ぶ。この事件は、「一橋大学アウティング事件」として話題を呼び、追悼集会が開かれ、支援の署名活動が行われた。一橋大学のある国立市では2018年4月、全国で初めて「アウティング禁止」が盛り込まれた条例が施行された。

Aさん代理人の南和行弁護士は「ご家族の悲しみや苦しみが尽きることはありませんが、裁判として一定の納得をすることができたので、ご家族はアウティングをした当事者との和解を決断しました」「しかし、一橋大学との間では、和解協議は打ち切りとなり、東京地裁で裁判が続くことになりました」と話した。

次回期日は7月25日。Aさんの支援者らは7月16日、午後1時半から明治大学で報告集会を開くという。