NASA が、準惑星ケレスにある円すい状の山の拡大写真を公開しました。ケレスの地表から 1470km の高さで撮影したもので、この山の高さは 6000m ほどと推測しています。
NASAの探査機ドーンが、火星と木星の間にある小惑星帯で最大の天体、準惑星ケレスに接近したのは今年3月のこと。ドーンが撮影したケレスの写真は周囲よりひときわ明るくみえるいくつかの「謎の光点」をとらえており、世の中の注目を浴びました。
その後ドーンはケレスの裏側(日陰側)に回り込んだ際の画像も撮影。そこでは光点が見られないことから、それが自ら発光していないことがわかりました。ドーンの探査チームは、この光点について、「高反射性の物質が太陽光を反射している」とほぼ断定しており、氷ではないかと推測しています。
一方、6月になってドーンが撮影したケレスの画像のなかにはもうひとつの不思議な物体が写っていました。それが、南半球にあるこの円錐形の山。この山はケレスの表面でも比較的平坦な部分にあり、突出して標高が高いという特徴を持ちます。
8月19日、NASA はドーンがケレスへ接近した時の写真を公開しました。ケレスから 1470km の高さで撮影したその写真では、スロープ状の山の斜面に幾つもの筋が見え、やはり光を反射して明るくなっているように見えます。すぐとなりには山と同じぐらいの大きさのクレータがあり、まるでスコップか何かでクレーターの部分の土をひっくり返したように見えなくもありません。
いまのところ、この山がどうやってできたのかはわかりません。ただ宇宙望遠鏡による観測では、ケレスの表面でときおり水蒸気の噴出現象が確認されています。もしかしたら、この山はケレスの"吹き出物"なのかもしれません。
(2015年8月26日 Engadget日本版「NASA、準惑星ケレスの「謎の円錐地形」拡大写真を公開。スロープ状の斜面に多数の筋」より転載)
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