Googleは同社ブログにて、東日本大震災で被災した地域のストリートビューを更新したことを発表しました。撮影期間は2015年6月~2016年1月、岩手県、宮城県、福島県、茨城県内の59市19町4村を撮影しました。
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今回の撮影は、ストリートビューの技術を用いて東日本大震災の被害を記録・公開・保存することを目的とした『東日本大震災デジタルアーカイブプロジェクト』の一環によるもの。震災の記録を継承し、震災の記憶の風化防止につながることを期待しているといいます。
ブログ記事では、震災遺構として保存が決定し、保全工事中の「たろう観光ホテル」(岩手県宮古市)と、がれきは撤去されましたが被災した建物はそのまま残る福島県浪江町の請戸漁港周辺などのストリートビューを取り上げています。
今回のストリートビューは Google マップはもちろん、震災前のストリートビューも確認できる特設サイト「未来へのキオク」で閲覧できます。
加えて、岩手県宮古市から宮城県石巻市、宮城県亘理郡亘理町から福島県双葉郡広野町沿岸の航空写真も更新されています。ブログ記事では2009/2011/2014/2015年の航空写真を並べ、震災の影響と復興の状況がわかりやすくなっています。
また、2015年9月に避難指示が解除された福島県楢葉町は、ストリートビューパートナープログラムに参加。ストリートビュー向け撮影機材「トレッカー」を担いだ楢葉町職員が、楢葉町立楢葉中学校、天神岬スポーツ公園など8カ所を撮影し、ギャラリーなどで公開しています。
震災遺構とは、震災の記憶や教訓を次世代に伝えることを目的として残す当時の構造物。現物を残してきた従来の方法と並行して、VRや写真合成、CGを用いたデジタルコンテンツ化も進められています。博物館展示などでの視聴を想定した試みです。
今回の発表を行ったGoogleのブログ記事では、ストリートビューから見た被災地の現在の姿に加えて、過去の様子も簡単に綴られています。ぜひご一読ください。
(2016年03月03日 Engadget日本版「東日本大震災から5年、Googleが被災地域のストリートビューを更新。特設サイトで震災前の様子も閲覧可能」より転載)
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