【注意!】ビル・ゲイツさんが「予防接種は間違いと認めた」はフェイクニュース

添付されている動画には予防接種という言葉は全く出てきません。
解説画像
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Huffpost Japan

元マイクロソフト社長で、現在は慈善団体を率いるビル・ゲイツさんが「ワクチンの予防接種は間違いだったと認めた」とする動画が、3月下旬から世界のSNSで拡散している。だが、これはフェイクニュースだ。添付された動画の中でゲイツさんは「予防接種は間違いだった」とは一言も言っていないのだ。

ビル・ゲイツさんの動画に関して、間違った解説を加えているツイートの1つ
ビル・ゲイツさんの動画に関して、間違った解説を加えているツイートの1つ
Twitter

この偽情報はTwitterやTiktokなどで3月下旬から拡散。数千回リツイートされているものもある。ゲイツさんが38秒ほど英語で話している動画に、以下のような解説がついているのが特徴だ。

「ビル・ゲイツが突然、予防接種は間違いだったと認めました。『私達は酷い過ちを犯しました。 危険なウイルスから人々を守りたかったのです。 しかしウイルスは私たちが思っていたよりもはるかに危険ではない事が判明しました。 そして、ワクチンは誰もが想像していたよりもはるかに危険です』」

この解説は、動画の中でゲイツさんが話している内容と全く異なっている。

■動画には予防接種という言葉は全く出てこない

この動画は実際に行われたイベントから抜粋されたもので、2022年5月3日にアメリカ・ニューヨーク市の文化施設「92番街Y」で行われたトークセッションだ。

「92番街Y」の公式サイトによると、CNNのファリード・ザカリアさんとの対談の中で、ゲイツさんは新刊『次のパンデミックを防ぐ方法』について話した。その中で2020年初頭に新型コロナウイルスの感染拡大が始まった当初の様子を振り返った場面だった。

このときの動画全編はYouTubeで公開されている。問題になった箇所は、23分40秒〜24分20秒の部分。日本語に訳すと以下のようになる。

「財団の専門家たちが『診断のないまま移動することが多すぎて、この病気を封じ込めることはできない』と言ったのは、2月上旬に私が会議に出席したときのことです。そして、その時点で致死率についてもよく分かっていなかったのです。(新型コロナウイルスの)致死率がかなり低いことや、インフルエンザとは少し違うものの同じような高齢者中心の病気であることも分かりませんでした。アメリカを含め、世界が必要以上に警戒態勢をとらなかったので、かなり怖い時期でした」

拡散している偽情報のキャプションとは全く内容が異なることが分かるだろう。予防接種という言葉は全く出てこない。

今回の偽情報でハフポスト編集部で確認できた最も古い物は、日本時間3月23日のフランス語のツイートだった。その後は、スペイン語、英語、日本語に翻訳されて同内容の物が繰り返し拡散されている。

ただし、動画を見れば話の内容が食い違ってることがすぐ理解できるため、英語圏ではあまり話題になっていなかった。

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