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2020年03月13日 12時34分 JST | 更新 2020年03月13日 12時42分 JST

「女性選手は男性より責任が少なくスキルも低い」。主張した米サッカー連盟の会長、批判を受けて辞任へ

性差別的な主張が、選手やファン、スポンサーから非難されていました。

女性選手の報酬が少ないのは、男性選手より責任が少なく、スキルも低いからだ ―― こう主張して批判を受けていたUSサッカー連盟(USSF)のカルロス・コルデイロ会長が、辞任を表明した。

USSFのコルデイロ会長はTwitterで、主張について謝罪し、会長の座を退くとつづった。

「私のたった一つの任務は、連盟のために最善を尽くすこと。そして今求められているのは、新しい方向性を示すことです」

「今週私たちが提出した裁判文書に書かれていた表現は、特に女性代表チームの選手たちに、大きな侮辱と痛みを与えました。彼女たちはもっとふさわしい待遇を受けるに値します」

後任には、副会長のシンディ・パーロー・コーン氏が着く。

■「男性選手にはより大きな責任が求められている」と主張した

近年ジェンダー間の賃金格差に注目が集まっている、アメリカのスポーツ界。

2019年3月には、28人の女性サッカー選手が平等な報酬を求めて、USSFを訴えた。

今回問題になったのは、USSFが3月9日に提出した裁判書類に書かれていた主張だ。

AP通信によると、USSFは男性選手と女性選手の報酬に大きな差がある理由を「女性選手と比べて、男性の代表チームの選手にはより大きな責任が求められている」そして「スピードや力の面においても、男性チームの選手は女性チームの選手よりさらに高いレベルのスキルが求められている」からだと説明した。

そのほかにも、男性代表チームは比較的「敵対的」なファンがいる環境でプレーするのに対し、女性代表はより「友好的」なファンがいる環境で試合をすることなどを、報酬格差の理由として挙げている。 

■「石器時代のような議論」 各所から反発が起きた

こういったUSSFの主張を、原告の広報モリー・レビンソン氏は「石器時代のような議論」と厳しく批判。スポンサーやサポーターたちからも、強い反発が起きた。

NPRによると、最大のスポンサーの一つであるコカ・コーラのケイト・ハートマン氏は「不適切な発言は到底容認できず、心底がっかりしています」と、USSFの姿勢を非難した。

「コカ・コーラ社は、アメリカ国内だけではなく世界中でのジェンダー平等、公正、女性のエンパワーメントを強く支持します。そして、それをパートナーにも求めます」

また、ファンの団体「アメリカン・アウトロー」も、「アメリカだけでなく世界中のいかなる国でも、このような視点でスポーツが運営されるべきではない」と、USSFへの反発をツイートしている。

女性代表チームキャプテンのメーガン・ラピノー選手も、「こういった主張は、長い間彼らが心の中で思ってきたことなんだろう、と私たちは感じています。しかし、あからさまな女性蔑視、性差別が主張として実際に私たちに向けられるのを目にするのは、残念なことです」と、USSFへの怒りを語った

(ツイート説明:3月11日に開催されたシービリーブスカップで、女性代表チームの選手たちは、USSFに抗議してユニフォームを裏返しに着た。裏返しに着ることで、USSFのロゴは見えにくくなるが、W杯の勝利数を表した4つ星は見える) 

相次ぐ反発を受けて、コルデイロ会長は11日に謝罪声明を発表する事態に追い込まれていた。

■「 私たちは平等に支払われたい。ただそれだけ」

アメリカの女性代表チームは、世界ランク1位を誇る強豪チームだ。ワールドカップで4回優勝し、オリンピックでは4つの金メダルと1つの銀メダルを獲得している。  

一方、男性代表チームは国際試合でのタイトルはとったことがないが、報酬は女性選手よりはるかに多いと原告の弁護士は指摘する。

この報酬格差は、同一賃金法と公民権法に反するとして、28人の女性代表チームの選手ら国際女性デーに当たる2019年3月8日にUSSFを訴えた。裁判では、平等な賃金と6600万ドルを超える賠償金の支払いを求めている。

ラピノー選手は2019年8月のabcのインタビューで次のように語っている。

「私たちは試合に出場する。試合に勝っても、負けても、引き分けであっても、私たちは平等に支払われたい。ただそれだけ」