差別してきた「ニグロリーグ」の記録をMLBが公式認定。「私たちは間違っていた」

メジャーリーグでプレーが許されなかった「ニグロリーグ」の黒人選手たち。彼らの記録をMLBと同等にし、大リーガーとして扱うとMLBは発表しました
ニグロリーグに属したチームの一つ、シカゴ・アメリカン・ジャイアンツ(1922年)
ニグロリーグに属したチームの一つ、シカゴ・アメリカン・ジャイアンツ(1922年)
Transcendental Graphics via Getty Images

※この記事ではリーグの呼称を伝えるために、差別用語に当たる「ニグロ」が使われています。  

リーグが誕生してから100年。これまで除外されてきた黒人野球選手たちの功績が、ようやく公式に認められることになる。

アメリカのプロ野球リーグ・MLBは12月16日、かつて存在した野球リーグ「ニグロリーグ」の選手と成績をMLBの公式記録に含めると発表した。

ニグロリーグをMLBと同等だと決定したことで、ニグロリーグでプレーした3400人ほどが「大リーガー」と認定された。

Commissioner Manfred announced today that @MLB is officially elevating the Negro Leagues to “Major League” status. Culminating the centennial celebration of the founding of the Negro Leagues, MLB is proud to highlight the contributions of the pioneers who played from 1920-1948. pic.twitter.com/hkStF1UC0H

— MLB Communications (@MLB_PR) December 16, 2020

MLBコミュニケーションのツイート「マンフレッドコミッショナーは本日、ニグロリーグをメジャーリーグと同等にすると発表しました。MLBはニグロリーグ設立100年を祝い、1920〜1948年にプレーした先駆者たちの功績に光を当てます」

ニグロリーグは1920〜48年に存在した黒人選手を中心とした合計7つのリーグ。

MLBによると、ジャッキー・ロビンソン氏が1947年にブルックリン・ドジャースに入団するまで、黒人の選手たちはメジャーリーグでプレーすることが実質的に許されていなかった

ロビンソン氏がドジャースに入団した後、他の黒人選手もメジャーリーグでプレーするようになり、ニグロリーグはなくなった。しかし同リーグの記録は、公式なMLBの記録として認められてこなかった。

MLBコミッショナーのロバート・マンフレッド氏は声明の中で「ニグロリーグの輝かしい功績をMLBの公式記録にできるのは喜びだ」と述べた。

MLB is correcting a longtime oversight in the game’s history by officially elevating the Negro Leagues to “Major League” status. pic.twitter.com/gPSaTbD5Ud

— MLB (@MLB) December 16, 2020

ロバート・マンフレッド氏の声明「不当な差別を受けながら、ニグロリーグで多くの最高のプレーヤーやイノベーション、そして勝利がうまれたことは、私たちすべての野球ファンの間で長らく知られていました。

ニグロリーグの選手たちの功績を、本来あるべき場所であるメジャーリーグの公式な歴史記録として残せることは、私たちにとって喜びです」

プレーだけではなく記録も差別されてきた

MLBは現在、アメリカンリーグとナショナルリーグの2リーグ・30チームで構成されている。

ESPNによると、1969年に開かれた野球記録の特別委員会で、1876年から当時までに存在していた6つのリーグの記録を、MLBの公式記録にすることが決まった。

しかしその時に、ニグロリーグの記録は除外されたという。

「MLBは、委員会がニグロリーグを除外したのは明らかな間違いだと考えており、ニグロリーグの記録を公式とします」とMLBは声明で説明する。

野球歴史家のジョン・ソーン氏は、「ニグロリーグはMLBの排他的な姿勢から生まれました。そしてニグロリーグをメジャーリーグと同じ扱いをしないことは罪を2倍にします」とニグロリーグを認めてこなかったMLBを批判しつつ、「1世紀を経て、ニグロリーグをMLBと同等だと決定したのはとても素晴らしい」 と喜びを綴った

ミズーリ州カンザスシティにあるニグロリーグ野球博物館も、これは歴史的にとても重要なこと、とTwitterで決定を歓迎した。

“For historical merit, today it is extraordinarily important. Having been around so many of the Negro League players, they never looked to @MLB to validate them. But for fans and for historical sake, this is significant, it really is” - @nlbmprez pic.twitter.com/wOu4HJRTFN

— Negro Leagues Baseball Museum KC (@NLBMuseumKC) December 16, 2020

「今日は、歴史的に特別に重要な日です。私たちの知る多くのニグロリーグの選手たちはMLBに記録を認めて欲しいとは期待してはいませんでした。しかしファンや歴史を考えると、本当に素晴らしい決定です」

様々な記録がMLBに加わる

今でも多くの選手やファンから尊敬されているMLB初の黒人選手、ジャッキー・ロビンソン氏も、ドジャースに入団する前はニグロリーグのカンザスシティ・モナークスでプレーしていた。

Before he signed with the @Dodgers, Jackie Robinson played for the Kansas City Monarchs of the Negro Leagues. pic.twitter.com/n40e9vAvM1

— MLB Vault (@MLBVault) December 16, 2020

ロビンソン選手以外にも、ジョッシュ・ギブソン選手やウィリー・メイズ選手、サチェル・ペイジ選手など、ニグロリーグには数々の素晴らしい選手が在籍した。

サチェル・ペイジ選手(1940年撮影)
サチェル・ペイジ選手(1940年撮影)
The Sporting News via Getty Images
ジョッシュ・ギブソン選手
ジョッシュ・ギブソン選手
Bettmann via Getty Images

スポーツサイト・アンディフィーテッドは、「ジョッシュ・ギブソンのような、MLBの試合でプレーをすることが許されていなかった、野球史上に残る素晴らしい多くの選手たちが、MLBの公式記録として認められるようになる」と、新たな記録が加わることを歓迎する。

ギブソン氏の遺産管理人で、ニグロリーグ選手協会の共同設立者でもある、エドワード・シャウダー氏も、「ジョッシュ・ギブソンはレジェンドです。もしメジャーリーグでもプレーが許されていたなら、彼は間違いなく、トッププレーヤーになっていたでしょう」と喜びを語っている

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