PRESENTED BY patagonia

「クローゼットの中は化石燃料だらけ」パタゴニアがフィルム公開。地球を蝕むプラスチック問題へ挑む

パタゴニアがファッション業界のプラスチック問題をテーマにしたフィルムを公開。日々身につける服について、いっしょに考えてみませんか?

あなたは服を何着持っていますか?

また、そのうち何着を日常的に身につけていますか?

環境省によると、私たちが1年で買う服は18着。一方で捨てる服は12着。そして、なんと25着もの服が袖を通されることなくクローゼットに眠っているそうです。

ファストファッションが普及し、最新トレンドの服を安価で手に入れられる今日、服を買うハードルも捨てるハードルも低くなっているように感じます。手軽にファッションを楽しむことができる一方、環境への負荷が増え続けているのも事実です。

patagonia

6月9日、パタゴニア日本支社はファッション業界をめぐるプラスチック問題をテーマに、キャンペーン「なぜ、プラスチックなのか?」をローンチ。その一環として新作フィルムを公開しました。

その名も『クローゼットの中の怪物』。ちょっと物騒なタイトルのフィルムですが、現在のファッション業界の課題を非常にわかりやすく伝えてくれる示唆に富んだ作品です。

本記事では、『クローゼットの中の怪物』を3つのポイントに絞って、服好きの筆者がレビューしていきたいと思います。

①衣類の7割はプラスチック。環境汚染産業としてのファッション業界

突然ですが、今身につけている服のタグを見てみてください。素材は何でしたか? ポリエステル、コットン、それともレーヨン?(ちなみに、筆者が着ているTシャツはポリエステルとレーヨン混でした)

実は、『クローゼットの中の怪物』によると、衣類の70%はプラスチックからできています。目を疑いたくなるような数字ですが、現在流通されている衣類の多くはポリエステル製で、そのポリエステルこそがプラスチックなのです(筆者のTシャツもポリエステル混なので、プラスチックを身につけていることになります)。

patagonia

けれど、「そもそもプラスチックの何が問題なんだっけ?」「ポリエステル製の服は安くてよくない?」そう聞きたくなる方も少なくないと思います。その答えとして、作中ではプラスチックが石油とガスからできている点を指摘します。

つまり、衣類の主原料は地下から採掘される化石燃料だということ。私たちは、地球上で限られた枯渇性資源を掘削し大量の安い服をつくり、それらを大量に消費する。そして、儚いトレンドが過ぎれば大量に廃棄して燃やす――そうして繰り返される短いライフサイクルのなかで莫大なCO2を排出しているのです。

patagonia

言い換えれば、限られた地球の資源を元手に地球を汚染する。こうしたファッション業界(とくにファストファッション)の産業構造こそが問題なのです。一服好きとして、なんとも耳と心が痛くなる話です。

②リサイクル素材を開発。それでも止まらないCO2排出とパタゴニアの苦悩

ファッション業界のプラスチック問題のカラクリを読み、「最近はリサイクル原料を使ったポリエステルも増えているのでは?」と思った方、筆者も同じ感想を抱きました。

実際、パタゴニアで使用されているポリエステルのリサイクル率は88%。つまり、パタゴニアのポリエステル素材の9割弱がバージン原料ではなくリサイクル原料からできているのです。この数字だけを見ると万事順調に思えます。

しかしながら『クローゼットの中の怪物』では、一筋縄ではいかない問題の複雑さも描かれています。パタゴニアのマテリアルデザイナーは次のように語ります。

“素晴らしい仕事をして、リサイクルされた新しい素材を導入するなどして結果を見てみると、二酸化炭素の排出量は去年より多くなりました。より多くの商品が売れたからです”

パーシャ・ウィットマイア(パタゴニア・マテリアルデザイナー)
パーシャ・ウィットマイア(パタゴニア・マテリアルデザイナー)
patagonia

皮肉な話ですが、苦労してリサイクル素材を開発しても結果的にCO2排出量が増えてしまったのです(それでも、バージン原料としての石油を使うよりも、はるかに環境負荷は少ないです)。その理由はCO2の出所にあると言います。パタゴニアが自社のカーボンフットプリント(※)を測定する調査をおこなったところ、炭素による影響の80〜90%は生地の製造過程で生み出されていることがわかりました。

※商品やサービスのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量を CO2 に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組み

365日24時間フルで稼働を続ける巨大な繊維工場で、日々大量のCO2が排出されています。こうした現状のシステムでは、リサイクル由来の原料を使用したとしても、その原料を生地につくり変える過程でどうしてもCO2が発生してしまいます。リサイクルはすべてを解決してくれる魔法ではないのです。

patagonia

③「消費者」から「市民」へ。今私たちにできること

さらにショッキングな事実として、衣類の寄付についても触れられています。『クローゼットの中の怪物』では、寄付された衣服のわずか6%しか再販されないと言います。

寄付された衣類の一部はすぐに捨てられ、残った衣類のうち最低品質のものはサブサハラアフリカ(※)に行きます。そうして使い古された衣類を押し付けられた国々は、“世界のゴミ箱”となり果てるのです。

※アフリカのサハラ砂漠より南に位置する地域。世界でもっとも気候変動の影響を受けるアフリカのなかでもサブサハラ地域への影響はとくに大きいと言われる 
patagonia

“世界のゴミ箱”では、こうした衣類のほとんどが燃やされるか埋め立て地の一部になると言います。衣類をつくる過程で費やされた化石燃料が、最終的に遠く離れた土地でCO2として大気に放たれているのです。

本作ではファッション業界の未来について「2050年にはこの業界だけで世界の炭素収支の1/4を占めることになる」と警鐘を鳴らします。では、この八方塞がりとも思えるファッション業界を変えるために何が必要なのでしょうか?

patagonia

『クローゼットの中の怪物』では、「政府」「企業」「市民」の連帯が重要だと語られます。政府がしかるべき法制度を整え、企業はカーボンフットプリントを削減する努力を惜しまず、そして私たち市民は責任ある購買行動をおこなう。

フィルムの後半で、ファッション業界を変えるべくニューヨークで活動する政策立案者・弁護士が次のように語っています。

“9.11の後でブッシュ大統領は「今できることは買い物だ」と言いました。それが大きな貢献になると。私たちは消費することが重要な役割だと聞かされてきました。

(しかし)消費者は人間で市民です。それが消費者として自分を見るのと、従順な買い物ロボットとして見ることの違いです。人々は自分が存在する社会を変えるのは自分だと感じる必要があります”

patagonia

従順な「消費者」から、社会を変える信念を持つ「市民」へ。今こそ私たちの意識を変える時ではないでしょうか。そうして、責任ある購買行動を一人ひとりが意識的におこなえば、私たちの愛するファッションの未来も少しずつ明るくなっていくと筆者は考えます。

パタゴニアは廃棄されたプラスチック漁網をリサイクルする「ネットプラス素材」を開発。すでに525トンの漁網を再利用し、そのプラスチックを帽子やジャケット、ショーツなどに使用しています。

また、6/17(金)~6/21(木)にかけてフィルム上映と参加者のみなさんとグループで対話するトークイベント「クローゼットの中の怪物について話そう」を開催。衣料品に使われるプラスチックの影響や、変化を生み出すために何ができるのかなど、生活者として取り組めることを一緒に考えてみませんか?(詳細は下記)

【イベント情報】

■2022年6月17日(金)19:00〜20:50予定

パタゴニア 東京・渋谷(03-5469-2100)

パタゴニア 東京・丸の内(03-3214-2101)

パタゴニア 神戸(078-334-7117)

 

■2022年6月18日(土)18:30〜20:15予定

パタゴニア 東京・吉祥寺  (0422-70-5613)

パタゴニア 大阪(06-6258-0366)

パタゴニア 京都(075-251-2101)

パタゴニア 福岡(092-738-2175)

 

■2022年6月21日(火)19:00〜20:50予定

パタゴニア 広島(082-211-2300)

※参加費無料、要予約

※参加申込/お問い合わせは、各開催ストアまでご連絡ください

 

『クローゼットの中の怪物』およびパタゴニアのフットプリント・プラスチックに関する情報はこちら

注目記事