特集
2019年04月16日 12時05分 JST

42歳おっさんの「孤育て」 平日の昼間、公園にいたらヘンですか?

村橋ゴローの育児連載「ワンオペパパの大冒険」09

結婚して14年、掃除・洗濯・炊事といった家事のほぼすべてをボクが担当している。くわえて4年前に子どもが生まれてからは、育児も主にボクがやっている。妻の会社復帰に合わせ、まだ生後7カ月だった息子を保育園に入れることにした。

妻は当時、フルタイムで働く会社員。ボクはライターという在宅就労者ゆえ、時間の自由は利く。そのため保育園の送り・迎えもボクの仕事となった。そんな3年前に覚えた違和感を、今回は書いてみたいと思う。

保育園は女子校?

はじめての保育園に緊張していた。先生たちに「お父さん」と呼ばれるこそばゆさ、協調性のない自分が他の保護者さんたちと上手くやっていけるのだろうか。戸惑いながらそのドアを開けてみると……よそはどうだか知らないが、息子の通う保育園は女性だらけだった。

先生はほぼ女性のみで、送りとお迎えに来る保護者もほとんどママ。「あ、ここ女子校なんだ」と感じたのを覚えている。しかもこちとら42歳でパパになった身。42歳のオッサンが女子校に転校したようなもので、まあ浮いていた。それでもなんとか、目が合う人すべてに「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」と園で振る舞っていたら、何人か顔見知りのママもできるようになった。

そんなある日いつものようにお迎えに行き、息子を連れ園の外へ。そこには顔見知りのママ3人が井戸端会議をしていた。ボクはいつものように「さようならー」とその3人に向かって声をかけた。すると3人は一瞬ボクのほうを振り向くも、再びおしゃべりに夢中になった。無視かいっ!「ひとりでいるときは対応してあげるけど、みんなでいるときは声かけないで」。まるでクラスの嫌われ者のようなこの扱い!(笑)

村橋ゴロー

別にいい歳こいて、「仲間はずれにされた」といじけているわけでない。そのママたちも子どもを連れているわけで、その子らと息子が遊ぶ機会がなくなってしまうからだ。そんなときにかぎって息子は、そのママたちの足元でキャッキャやっている子どもたちと遊びたがる。そのママたちの輪に近づけようと、ボクの足をグイグイと引っ張る。

ごめん息子よ、下ろしたシャッターをこじ開ける勇気、そんなものはパパ持ってないんだよ……。と「○○ちゃんとあそびたいー!」と騒ぐ息子を抱え、そそくさと駐輪場に向かった。でもねえ、そんな切ない場面が、ちょいちょいある。そんなときボクは、心の中で息子に謝る。「オレがママじゃなくてごめんね」、「オレがオッサンじゃなくママだったら、いろんな子といつでも遊べるのに、ごめんね」と。

 

公園であいさつしたらギョッとされる

公園に子どもと行ったとき、こんなこともあった。砂場に直行していった息子、見ると砂場には母子の先客がいた。そのため「こんにちはー」とそのママにあいさつしたのだが、彼女はギョッとした表情で目をそらし、無言だった。いやホント、なかなかの「ギョッ」でしたよ。

というか、砂場だと他の子の砂場セットを「かーしーてー」となって、いろいろなトラブルになりがちじゃない? それを事前に親同士があいさつしてにこやかな雰囲気を作っておけば、無用なトラブルも回避できるというもの。そのための「こんにちは」だったのに!

確か、その日は平日の午後3時ごろ。原稿が早く終わったため、保育園を早上がりさせて一緒に遊んでいた。そのため「え? 平日昼間の公園にパパ?」と、そのママは戸惑っていただけかもしれないね。子どもを連れているのがパパだろうがママだろうが、どっちだっていいじゃない。親は親だよ。

村橋ゴロー

子育てしているオッサンにも優しくしてね

こんなふうに男が育児をやっていると、つくづく思う。イクメンだなんだと世の女性ははやしたてるが、それは自分の夫に対して望むだけで、世間にいる子育てしているオッサンには冷たいのだなあと。

もっといえば自分の夫に育児を求め、遠くのイクメンタレントを羨望し、隣りの育児オジサンにギョッとする。これだけワンオペ育児問題が叫ばれていても、「男は外で働き、女は家を守る」。そんな固定概念にとらわれている女性は、意外と多いのかもしれない。オッサンとて、同じ育児をしている同士なのに! 愛してくれとは言わない! でもせめて、おっさんにも優しくしてくれ!(笑)

だからボクはこう強く思うのです。保育園でも、子どもにこう教えていると思う。「おともだちには、やさしくしようね。おともだちと、なかよくしようね」と。そう子どもに教えているパパママたちにも、こう伝えたい。「おおきなおともだちには、やさしくしようね。おおきなおともだちと、なかよくしようね」。

■村橋ゴローの育児連載

第1回 妻はきっと知らない。ボクが家事・育児の“ワンオペ夫“を14年続けられる理由。

第2回 不妊治療の末に授かった赤ちゃん。出ないおっぱい。ボクたちが経験した「産後うつ」

第3回 「この子捨てていい?」――地獄のような「産後うつ」乗り越え、ふたりで涙した夜

第4回 【週5で銭湯】子どもに社会を知ってもらう「湯育」(とういく)のススメ

第5回 結婚のきっかけは「あなたの子どもが産みたい」。借金地獄を救ってくれた妻のために、ボクができること

第6回 男の子がピンクを選んだっていい。4歳の息子が感じた「性別と色」の世界

第7回 「子育てやめます」妻に宛てた一通の手紙。ボクはあの時、育児うつになっていた

第8回 親にとって最高の「ぷじぇれんと」 言い間違いは、子どもが成長している証だ

 

親も、子どもも、ひとりの人間。

100人いたら100通りの子育てがあり、正解はありません。

初めての子育てで不安。子どもの教育はどうしよう。

つい眉間にしわを寄せながら、慌ただしく世話してしまう。

そんな声もよく聞こえてきます。

親が安心して子育てできて、子どもの時間を大切にする地域や社会にーー。

ハッシュタグ #子どものじかん で、みなさんの声を聞かせてください。