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フリーアナウンサー堀井美香さん × NEC森田隆之CEOが語った、「大企業だからこそ」できる挑戦とは

NECが取り組むインクルージョン&ダイバーシティとは?社員約8000人が参加したトークセッションで見えてきたもの。

いま、あらゆる企業が「D&I」(ダイバーシティ&インクルージョン)の取り組みを加速させています。NECグループは、社会に対してその実行を約束する「2025中期経営計画」での注力点のひとつとしてダイバーシティの推進を打ち出しています。

「ダイバーシティ」(多様性)は、多様な「個」が包括的に尊重されている「インクルージョン」の状態が発揮されてはじめて価値を生みます。そのためNECグループではインクルージョンを先に据えて「I&D」と表現しています。その実現に向けてCEO自ら委員長をつとめる「I&D推進委員会」を設置するなど、全社の重点領域として取り組んでいます。

NECグループは3月8日の「国際女性デー」に社内イベント「NEC Women’s Day 2024」を開催。4年目の今年はフリーアナウンサーの堀井美香さんを招き、NECの森田隆之 社長兼CEOと対談しました。

テーマは「組織の中でこそ、チームだからこそできる『私の挑戦』」。オンライン・オフライン合わせて約8000人の社員がリアルタイムで参加し、I&Dや挑戦について、様々な角度からとらえたトークセッションを詳報します。

「女性リーダーに、早く慣れよう」。企業の成長に『本当に効く』I&Dとは

NECグループは、組織や職場環境において多様性を尊重する「I&D」を成長戦略の大きな柱の一つとしています。堀井さんはアナウンサーという立場から、さまざまなエキスパートと日々仕事をしています。企業が多様な個性を尊重し、女性のリーダーが増えることで生まれる変化について、森田さんと堀井さんはどう捉えているのでしょうか。

「女性活躍の可能性を広げるためには、まず女性リーダーを増やすことだと思います」。堀井さんによると、かつて男性がほとんどだったテレビ業界にも徐々に女性社員が増え、現在は女性だけのチームで仕事をするケースもあるのだそうです。一方で、女性リーダーの広がりについてはまだ途上だと言います。

堀井さんは「女性リーダーがたくさんいる社会になることで、人々の見方も、考え方も変わっていく。男性が育児をするなど、これまで慣習的に捉えられていた男女の役割も変わってくるのではないでしょうか」との考えを紹介しました。

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さらに堀井さんは、女性がリーダーになる状況に企業や社会が「慣れる」ことが必要だと指摘しました。

以前、役員になる可能性がある会社の先輩の姿を見て『私も社長になれるかも?』と3秒ぐらい思ったことがあったんです(笑)。その未来があるなら、女性の皆さんも『社長になったら何をしよう』とリーダー目線で考えるはずです。皆が当たり前に考えられるぐらい、管理職や役員に名を連ねる女性が増えればなと。そしてその状況に社会が慣れれば、女性リーダーが増えるスピードも上がると思います」

森田さんは、NECが2025年度末に掲げる目標「管理職に占める女性比率20%」を目指す中で「スーパーウーマンのような管理職だけが活躍する時代ではなく、チームでの取り組みが大切になっている」と感じているそうです。

「家庭での暮らしや育児もある。そんな中では、自分が得意な領域をメンバーと共有して、それぞれの力を最大限に発揮できるチームをつくることが大事です。メンバーは各々が特色のある役割を果たし、リーダーも自分にあったスタイルのリーダーシップを発揮していい。柔軟性をもって取り組みましょう」(森田さん)

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アナウンサーである堀井さんが語る、他者との違いを認め合う「聴く力」の極意

NECグループの一人ひとりがもつべき考え方や行動を示した基準『Code of Values』には、「視線は外向き」「組織はオープン」といった言葉が並びます。その実践には、異なる立場や考えをもつ他者との対話が不可欠です。

『聴きポジのススメ 会話のプロが教える聴く技術』(徳間書店)の著書がある堀井さん。アナウンサーは「話を聞く相手に多様性があり、人との違いや良いところを引き出して、皆さんにお伝えする仕事」だといいます。多様性を生む対話の例として杉並区長の岸本聡子さんとのエピソードを紹介しました。

「私がパーソナリティを務めるポッドキャストの番組で、岸本さんが『対話をして政治を進めていきたい』と話していたのが印象的でした。岸本さんは『さとことブレスト』という区民との対話集会を積極的に開いていて、多様性を肌で感じているそうです」(堀井さん)

同時に、そういった場に集まって多様な考えを知ることができる方々がいる一方で、情報が得られずに困っているマイノリティの方々もいると指摘。「岸本さんと『多様性を受け入れるために、自分たちが“迎えにいく”段階に入っている』と話したことを覚えています」

情報が伝わりにくい人には自らアプローチすることが必要。こうした堀井さんの気づきに会場の社員たちは頷き、共感していました。

挑戦に失敗はつきもの。いかにスピード感をもって切り替えるか

挑戦して成功を掴むためには、失敗がつきものです。それぞれの失敗をいかにして次の挑戦につなげるかが、個人にも組織にとっても、その後の成長に向けた重要なステップとなります。

堀井さんは、チームで長い時間をかけて取り組んだプロジェクトが自分のミスで失敗したときに、特に落ち込むのだそう。早く気持ちを切り替えて次の挑戦に取り組むために、元プロ野球監督の野村克也さんや落合博満さんらの名言から心を整えるヒントを得ているといいます。

野村元監督の『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』という言葉を引き合いに、このように語りました。

「プロ野球の場合、試合に負けても翌日には試合があります。負けた当日にその要因を分析して、明日に向けて改善しないといけない。この言葉には、そのスピード感が映し出されていると感じます。私自身も目まぐるしい日々の中で、そういった言葉と向き合いながら、早い段階でなぜミスしたのか、どう気持ちを切り替えるかを考え、失敗を重ねる中で対処法を身につけていきました」(堀井さん)

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「30点でも、時間切れよりはいい」。森田社長が語る『拙速』のススメ

このエピソードを聞いた森田さんは「失敗を早く総括して忘れること。これはビジネスでは絶対に必要」と同意しました。そのうえで個人ではなく組織で起こった失敗について、森田さんは「共有して学びにすること」が重要だと説きます。

「なぜ失敗したのか、原因や対処法を共有していくことが大切です。失敗は必ず生まれますが、それを繰り返さない組織が強い。そうなるためには情報を隠さずオープンにし、言語化して伝えていくことです」(森田さん)

ちなみに森田さんは「拙速」という言葉が大好きなのだそう。ネガティブな意味で使われがちですが、なぜでしょうか。

「大体60点を取り続ければ、会社はよくなっていきます。100点を取れるものを出したとしても、タイムオーバーになれば0点になってしまう。拙速であっても時間内に30点を取れれば、0点よりいいですよね」(森田さん)

60点で会社はよくなる。拙速であるために30点だったとしても、0点よりはいい。そんなリーダーの経営哲学とも言える考え方に、社員からは共感の声があがりました。

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「会社を使い倒そう」。組織の中でこそ、チームだからこそできる挑戦とは

セッションのテーマでもある「組織やチームだからこそできる挑戦」についても語り合いました。堀井さんは過去の挑戦のなかで、大企業ならではの「部署横断の難しさ」という課題を感じたそうです。

「TBS在籍時に新しいプロジェクトを立ち上げたことがあるのですが、当時はイベント運営や営業などの知見が全くありませんでした。そこで毎日、組織図と社員の名前を見て、どの人を巻き込めばいいか、どの人に話を聞けばいいかと考えて。実際に部署をまわると大変でした。とにかく人にメールしては話を聞いて、を繰り返しました」(堀井さん)

一方で会社員時代は、会社のもつ資産、伝統、人材、経験をすべて使うことができたといいます。「プロジェクトを拡大できたのも、大きな会社にいたからこそ。フリーの立場で仕事をするようになった今、会社に所属することのありがたさを改めて感じます」と振り返ります。

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堀井さんの話を受けて森田さんは、組織だからこそできる挑戦という観点から「NECという会社を使い倒してほしい」と社員に語りかけました。

「会社にいると『なんでこの仕事をやるんだろう』と思うことがあるかもしれません。でも“好きになってやってみる”というのは大事で、それが一生の仕事になるということもあります。大きな会社だと、そのような思いがけない出合いのチャンスが結構あるんです」

森田さんは「NEC Growth Careers」という、社員と部署のマッチングによって異動できる制度についても触れ、「そういった機会を使って社内で自分の可能性を試すことができるのは、大きな組織にいるメリットではないでしょうか」と強調します。

もうひとつ、会社の先人たちが築いてきた「資産」の上で仕事ができるという利点も。

「NECという歴史あるブランドの“下駄”を履けることによって、チャレンジできる仕事の幅が広がる。ときには下駄が高すぎて、転んでしまうかもしれません。それでも、背伸びしてやってみたらいい。そのうちに本物になっていきますから」(森田さん)

あえて「相手にとっていい結果」を考える。利害が対立する相手との交渉術

最後に参加者から質問が寄せられました。

「働く業界やバックグラウンドが異なる人と仕事をするとき、信頼関係を生むために意識していることは」との質問に対し、森田さんは「相手にとっていい結果になるにはどうすればいいか、常に考えています」と話しました。

「交渉のような、利害が対立する相手と合意点を探る場面がよくあります。そこで心がけているのは、相手の立場になって考えること。自分がどうしたいかではなく『相手にとっていい結果を生むためにはどうすればいいか』を考えるのです。すると異なる視点で物事が見ることができ、相手からも信頼を得られるようになります」(森田さん)

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もうひとつの大事なポイントとして「一度言ったことを撤回しない」ことを挙げました。「あとから言い過ぎたと思っても、撤回しない。それだけ責任を持って話す。これはビジネスの契約などの場面で、特に気をつけています」。

堀井さんも森田さんの考えに同意。自身の番組に出演したある企業の社長が「交渉の場では、そのときの勝ち負けや利益は考えない」と話していたといいます。

「そのゲストの方は『相手と長く付き合っていくにはどうしたらいいかを考える』と、お話ししていました。そうすることで『三方よし』のように、みんなが平和な状態で利益を生み出し続けることができるんだと。それを聞いて、とても共感しました」(堀井さん)

「12万人の社員との対話に挑戦」社長の意気込み

トークセッションの最後には「明日から取り組みたい『私の挑戦』」というお題に回答。森田さんは「世界の全社員との対話」を目標に掲げ、意気込みを語りました。

「社長に就任して以降、タウンホールミーティングというかたちで、社員と直接対話する場を設けています。海外拠点とはZoomのようなオンラインツールを使ってそういった場をつくってきました。今年から、国内のグループ会社や地方拠点を直接訪問しての対話を始めました。従業員は現在、世界で12万人。累積になるかもしれませんが(笑)、この人数を目指して全社員との対話に挑戦します」(森田さん)

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これを受けて堀井さんは「ホームページを見ると、NECさんのビジネスは本当に多岐にわたることがわかりました。私が社員だったら、知り合いのクリエイターの皆さんを集めて、NECさんのプロモーションビデオを作ってみたいです」と会場の笑いを誘いました。

会場やオンラインで視聴していた社員からも、チャットなどで続々と「私の挑戦」が寄せられました。

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二人の対談後には、国際女性デーにちなんだ軽食やスイーツを用意した会場で、社員との交流タイムが設けられました。

「一緒に写真を撮りましょう!」「こういうことをやってみたいんです」「こういう時はどうしますか?」。堀井さんと森田さんは交流会で次々と声を掛けられ、会場に集まった社員は男女問わず、大いに盛り上がりました。

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▼NECが取り組むインクルージョン&ダイバーシティをもっと知る

▼「NEC Women’s Day 2024」にあわせて制作された、NECグループで働く女性たちを紹介する映像

(文:加藤智朗 写真:曽川拓哉 企画協力:株式会社ブランドジャーナリズム )

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