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2020年05月11日 16時33分 JST | 更新 2020年05月13日 09時03分 JST

官邸の公式サイト「三権分立」図、検察庁法改正案めぐりTwitterで話題⇒担当者「1998年から載せている」

三権分立の矢印の方向が、内閣から国民に向いているが「逆なのでは?」と指摘する声が上がっている。検察庁法改正案をめぐり、“検察の私物化”と批判する声がTwitter上で高まる中で、注目が集まった。内閣広報室は「図は1998年から採用されている」と説明する。

HuffPost Japan
三権分立を説明する図。左が首相官邸の公式サイト。右は衆議院の公式サイト。

「三権分立はどこにいった?」ーー。首相官邸の公式サイトの日本国憲法下の「三権分立の図」がTwitterで話題になっている。三権分立の矢印の方向が、内閣から国民に向いているが、本来は「逆なのでは?」だという指摘だ。

背景には、「#検察庁法改正案に抗議します」がトレンド入りするなど、検察官の定年を65歳に引き上げる法改正案に反対する声がTwitter上で高まっていることがある。

この法改正案をめぐっては、「検察官の独立性が脅かされる」「検察を政権の下に置きたいのではないか」などの批判が起きた。

ロッキード事件やリクルート事件のように内閣総理大臣や政権中枢も逮捕できる立場にある検察。その独立性を保たなければ、起訴して裁判に持ち込む役割(準司法的作用)を果たす組織として、適正に三権分立を維持できない。そのため、法改正案は、国家権力を分散させて相互に緊張感を持たせる「三権分立」を軽視しているという疑念が広がっていた。

この図は正しいのだろうか?内閣官房に聞いてみた。ハフポスト日本版の取材に、
内閣広報室は「同様の矢印の向きの三権分立の図は、確認できるところでは、少なくとも1998年から採用されている」という。

安倍首相が第一次政権で首相になったのは2006年。その後、2012年に返り咲いて、いまも首相を約7年半続けている。図は安倍氏が首相になる前から掲載されていたことになる。ちなみに1998年の政権は自民党で、その後、民主党も政権をとっている。

 

 三権分立、矢印が逆?

教科書などでは、国民から国会にむかって伸びる「選挙」という矢印と並び、国民から内閣(行政)に対して「世論」という矢印が伸びている。

衆議院の公式サイト
衆議院の公式サイトの三権分立の図 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kokkai/kokkai_sankenbunritsu.htm

 一方、首相官邸の図は、内閣から国民に向かって矢印が向けられている。そのため、検察庁法改正案への不信感とあいまって、疑義が起こっているのだろう。

内閣広報室は、ハフポスト日本版の取材に、図は安倍政権以前の1998年から採用されているものだとし「内閣制度を説明する視点で描かれており、行政サービスを国民に提供する趣旨を説明しています」としている。

内閣府公式サイト
首相官邸公式サイトにある日本国憲法下の三権分立の図。 矢印の向きが国民から内閣に向かうのではなく、内閣が国民 に対して矢印が向かっている。 https://www.kantei.go.jp/jp/seido/seido_2.html

 ちなみに、衆議院の公式サイト首相官邸の子ども向けページでは矢印が国民の側から伸びている。

 

 #検察庁法改正案に抗議します がTwitterトレンドに

検察庁法改正法案は、検察官の定年を、政府が「公務の運営に著しい支障が生ずる」と認めれば特例で延長する点が疑問視されている。政府が検察の人事に介入できる枠組みとなり、影響力を行使し検察の独立性が保たれない恐れがあると指摘されている。Twiiterでは、「#検察庁法改正案に抗議します」がトレンドになった。

俳優の浅野忠信さんら著名人からも声が上がり、俳優の井浦新さんは「保身のために都合良く法律も政治もねじ曲げないで下さい。この国を壊さないで下さい」とTwitterで10日朝発信すると、同日昼までに2万回以上リツイートされ、累計10万回以上となっている(11日午前11時時点)。

 安倍内閣は、政権に近いとされる黒川弘務・東京高検検事長の定年の延長を閣議決定。検察トップである検事総長への道を開き「検察を私物化することになる」との批判の声が上がっていた。  (ハフポスト日本版・井上未雪)