アートとカルチャー
2020年11月12日 11時39分 JST | 更新 2020年11月13日 19時37分 JST

「塩糖水」を知っていますか?毎日の料理が楽になり、家事シェアやフードロス削減にもつながる料理法です

塩糖水(えんとうすい)の作り方とメリット、塩糖水漬けにした食材を使ったレシピを上田淳子さんに聞きました。

提供:世界文化社
料理家の上田淳子さん

塩糖水(えんとうすい)。

ちょっと耳慣れないこの言葉。「え?何に使うもの?」と思われる方も、きっと多いことでしょう。

 

実はもともと冷蔵庫のなかった時代、料理をする際の保存目的で塩や塩水に漬けていたのが、考え方のベース。それを料理家の上田淳子さんが、料理が楽になるメリットがたくさんあって、現代の家庭で使いやすいようにアレンジした、画期的な調理法が「塩糖水」なのです。魚や肉をこの塩糖水に漬けるだけで、毎日の料理が格段に楽に、おいしくなりますよ。塩糖水の作り方とメリット、塩糖水漬けにした食材を使った料理のレシピを上田淳子さんに聞きました。

 

まずは、料理が楽になるメリットについてご説明しましょう。

・作り方が簡単

⇨子どものお手伝いにぴったりで、食育の一環に。

・加熱することで水分がなくなり、パサつきがちな肉や魚がしっとり仕上がる。

⇨手頃な価格だけれど、調理するとパサパサになっておいしくない肉や魚が、おいしく食べられて、お財布に優しい。

・素材の味が引き立ち、使う調味料がシンプルになる

⇨塩糖水に漬けることで、食材の中心まで味がしみるので、調理の時の味付けが楽になります。塩糖水に漬けたお肉と豆苗、もやしを炒めるだけで味が決まるなど、味付けに悩んだり、たくさんの調味料を使ったりする必要もなくなります。料理が苦手なパートナーとの家事シェアもしやすくなるはず。

・保存性が上がる

⇨肉なら4、5日、魚なら2、3日保存がききます。料理をするつもりで買いおきしていた肉や魚も「今日は忙しかったから外食にして、明日使いましょう」なんてこともできてしまいます。フードロス削減にもつながります。

・和風、洋風、中華など、どんな料理にも展開可能

⇨元は塩味なので、素材の使い方次第で料理を選びません。

・脂が少ない高タンパクな食材に効果を発揮するので、ヘルシーな料理が作れる

 

料理する前にわざわざ塩糖水を作って漬けるなんて、手間が増えるだけなのでは?と思う方もいるかもしれません。でも、簡単すぎるこの「塩糖水に漬ける」という下ごしらえが、その後のあなたをきっと助けてくれるでしょう。

 

「塩糖水」の作り方はとても簡単。

●材料(肉や魚200~300グラムに対して)

塩…小さじ2/3

砂糖…大さじ1/2

水…100ミリリットル

提供:世界文化社

●作り方

ポリ袋に材料をすべて入れ、よく混ぜる。

これだけ!

提供:世界文化社
提供:世界文化社

あとはこのポリ袋に肉や魚を入れて漬ければ、後の自分を助ける下ごしらえの完成です。

 

今回は、塩糖水に漬けた肉や魚を使った料理を3品ご紹介。使う調味料の少なさに驚きながら、ぜひそのおいしさを体験してみてください。

 

ポークソテー

提供:世界文化社

シンプルに焼いたポークソテーは、脂肪分が少なく、パサつきがち。

塩糖水に漬けてから焼けば、中まで味が入って、ジューシーなおかずに変身します。

 

●材料(2人分)

豚ロース肉の塩糖水漬け…2枚

胡椒…適量

オリーブ油(またはサラダ油)…小さじ1

 

●作り方

①豚ロース肉の塩糖水漬けは水気をきってペーパータオルでよく拭く。脂と赤身の境目を断ち切るように、両面に1センチ間隔で切れ目を入れ、胡椒をふる。

②フライパンにオリーブ油を入れて強めの中火にかけ、充分に暑くなったら①の表を下にして入れ、2~2分半焼く。裏返して2~2分半焼き、器に盛り付ける。

 

さわらのカレームニエル

提供:世界文化社

塩糖水に漬けることで魚の生臭さが消え、カレーとバターの匂いが引き立ちます。

さわらのパサつきも気になりません。

 

●材料(2人分)

さわらの塩糖水漬け…2切れ

カレー粉…小さじ1/2

小麦粉…適量

バター…5g

オリーブ油…大さじ1/2

ベビーリーフ…適量

レモン(くし切り)…適量

 

●作り方

①さわらの塩糖水漬けは水気を切ってペーパータオルでよく拭く。全体にカレー粉をふって軽く押さえてなじませる。

②①に小麦粉を薄くはたく。フライパンにバターとオリーブ油を入れて火にかけ、バターが溶けて泡立ってきたら、さわらを入れ弱目の中火にする。約2分半焼いて裏返し、2分半~3分焼く。

③両端も軽く焼いて器に盛りベビーリーフとレモンを添える。

 

鶏肉とアボカド、トマトの重ね焼き 

提供:世界文化社

手頃だけれど、パサつきが気になる鶏むね肉がアボカド、トマトと口の中でやわらかに混ざり合う美味しさには、家族みんなが驚くはず。

 

●材料(2人分)

鶏むね肉の塩糖水漬け…1枚

胡椒…少量

アボカド…大1個

トマト…大1個

オリーブ油…大さじ1

マヨネーズ…約大さじ1

 

●作り方

①鶏むね肉の塩糖水漬けは水気をきりペーパータオルで水気を拭く。厚さ1センチのそぎ切りにして胡椒をふる。アボカドは縦半分に切り、種を取って皮をむき、厚さ1センチに切る。トマトは縦半分に切ってへたを取り、厚さ1センチに切る。

②耐熱皿に①をトマト、鶏肉、アボカド、鶏肉の順で斜めに重ねる。オリーブ油を回しかけ、オーブントースターで鶏肉に火が通るまで10分焼く。

③鶏肉に火が通ったら、マヨネーズを全体にかけ、再びオーブントースターで3~5分焼く。

提供:世界文化社
(著)上田淳子『塩糖水漬けレシピ』(世界文化社刊)1400円+税

『塩糖水漬けレシピ』(上田淳子著 世界文化社刊)1400円+税