ベネチアの運河にイルカが登場。ロックダウン中の異変?人々を癒やし海へ戻る

世界遺産にも登録されている「サン・マルコ広場」から数百メートルの場所で目撃されました。
サン・マルコ広場からほど近い運河で泳ぐイルカ
サン・マルコ広場からほど近い運河で泳ぐイルカ
MANUEL SILVESTRI via REUTERS

イタリア・ベネチアの運河で3月22日、2頭のイルカが目撃され話題になっている。新型コロナウイルスの感染拡大で観光客が激減し船の交通量が減ったためとみられる。テレグラフなどが伝えた。

テレグラフによると、イルカたちが現れたのは、ベネチアのシンボル的な場所であり「ヴェネツィアとその潟」として世界遺産にも登録されているサン・マルコ広場から数百メートルしか離れていないラグーン(潟)。船の交通量が減ったことで魚の群れが引き寄せられ、イルカが迷い込んだのではと分析している。

ベネチアのラグーンでイルカが目撃されることはこれまでもあったが、今回のように普段は観光客で賑わう場所にイルカが近づくのはまれだという。

CNNはイルカがおそらく親子であるとし、著名な建築物の近くを通り「日帰り旅行」をしたと伝えた。

船が行き交っていたためイルカに危険が及ぶ可能性があると考えた目撃者が当局に通報。近くにあるパドヴァ大学の専門家チーム「CERT」が救助に当たったという。

チームの1人は「イルカたちは混乱してあらゆる方向に泳ぎまわっていた」とCNNに話す。9隻の船を使って2時間半かけ、アドリア海までイルカたちを誘導したという。翌日は目撃証言がなかったため、無事海に戻ったと考えられている。

スジイルカ(イメージ)
スジイルカ(イメージ)
REDA&CO via Universal Images Group via Getty

CERTが映像を分析したところ、このイルカは「スジイルカ」という種類で、親子とみられる。アドリア海南部などに生息し、ベネチアが位置するアドリア海北部で目撃されることは珍しいという。最後にベネチアのラグーンで目撃されたのは4年前だった。

イタリアでは新型コロナウイルスの感染者が増加しており、ベネチアを含む半数の州に4月6日までロックダウンの措置が取られている

イルカの映像を撮影しソーシャルメディアに投稿した人は「美しく、貴重な時間でした。この悲しい時に…」と振り返り、反響の大きさに「多くの人を笑顔にできて嬉しい」とコメントしている。

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