アイヌ民族差別表現はなぜ放送されたのか。日テレ『スッキリ』が謝罪、検証結果を報告

放送後の対応についても「放送を見たチーフプロデューサーが違和感を覚えながら訂正や謝罪を即座に判断できなかった」とした。
Westend61 via Getty Images

日テレ『スッキリ』アイヌ民族差別表現、番組内で謝罪 検証チームが調査、放送に至った経緯を説明

26日放送の日本テレビ系朝の情報番組『スッキリ』(月~金 前8:00)で、今年3月の放送でアイヌ民族について不適切な表現を使った件に触れ、番組内で謝罪し経緯を報告した。

放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は7月21日、今回の問題について「放送倫理違反があった」との意見を発表している。

同局執行役員の山田克也情報・制作局長は「3月放送の『スッキリ』で、アイヌ民族の皆さまを深く傷つける差別表現がありました。アイヌ民族の皆さま、関係者の皆さま、視聴者の皆さまに深くおわび申し上げます。大変申し訳ありませんでした」と謝罪。「先月出されたBPOの意見書では『放送倫理違反があった』と厳しく指摘されました。日本テレビでは皆さまのご意見を真摯に受け止め、二度と同じようなことが起こらないように番組制作に努めてまいります。この度は誠に申し訳ございませんでした」と、深々と頭を下げた。

同局が検証チームをつくり経緯を調査。番組内では差別表現がなぜ放送されてしまったのか、時系列にそって説明した。番組の問題点として「コーナー担当者全員がアイヌ民族の歴史や差別に関する知識が乏しく直接的な差別表現であるという認識がなかった」「担当チーム以外への情報共有するシステムがなく第三者的視点でチェックする体制がなかった」と検証。放送後の対応についても「放送を見たチーフプロデューサーが違和感を覚えながら訂正や謝罪を即座に判断できなかった」とした。

またBPOはこの問題について「隙だらけのチェック体制」「制作番組に対するこだわりの薄さ」「差別に関する知識の乏しさと放送人としての感度の低さ」「差別の意図はなかったとしても許されない表現」と指摘した。

MCの加藤浩次は「非常に重い指摘だと思います。この4つの問題点で差別の意識がなかったとしても差別に当たると、スタッフ含め本当に反省しないといけないと思います。僕自身も北海道出身という立場にありながら、番組の中で速やかに謝罪することができなかったことを、ここに深くお詫び申し上げたいと思います。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した。

【関連記事】

注目記事