ウィシュマさん遺族の国賠訴訟、クラファン始まる「必ず死の真相解明を」

遺族側弁護団は、「『違法なシステムを適法なものに改革する契機とする』ことで、ウィシュマさんをせめて最後の犠牲にしたい」とのコメントを寄せている。
ウィシュマ・サンダマリさん(左から2番目)と家族ら
ウィシュマ・サンダマリさん(左から2番目)と家族ら
弁護団提供

名古屋出入国在留管理局に収容中のスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が死亡した問題。遺族が3月4日、国に損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴したことに合わせ、訴訟支援のためのクラウドファンディングがスタートした

公共訴訟支援に特化したウェブプラットフォーム「CALL4」を通じ、遺族側弁護団が支援を呼びかけている。

ウィシュマさんは2017年6月に「留学」ビザで入国。2020年8月に不法残留容疑で逮捕された。名古屋入管で収容中に体調が悪化し、2021年3月6日に死亡した

出入国在留管理庁は同8月に調査報告書を公表。「危機意識に欠け、組織として事態を正確に把握できておらず、情報共有や対応体制も整備されていなかった」などと指摘した。一方、具体的な死因の特定は困難としている。

遺族は3月4日、ウィシュマさんが亡くなったのは、名古屋入管が必要な治療を怠ったためだとして、国を相手取り約1億5600万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした

遺族側の弁護団はクラファンのサイトで、「ご遺族と共に必ずウィシュマさんの死の真相を解明し、責任の所在を明らかにし、それを『違法なシステムを適法なものに改革する契機とする』ことで、ウィシュマさんをせめて最後の犠牲にしたいと思いました。そこまで成し遂げることで、ウィシュマさんに詫びたい」とのコメントを寄せている。

集まった資金は、原告の来日・滞在、弁護団の活動や調査、訴訟事務などの費用に充てられるという。

(國崎万智@machiruda0702/ハフポスト日本版)

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