「疑惑追及の急先鋒」森裕子氏は落選の見込み。森友・加計やDappi問題で存在感【参院選2022】

全国屈指の激戦区の1つだった新潟選挙区。落選の見込みとなった立憲民主党現職の森裕子氏は、国会でさまざまな「疑惑」を鋭く追及する議員の一人として知られていた。
森裕子氏
森裕子氏
時事通信社

参議院議員選挙の新潟選挙区では、立憲民主党の現職・森裕子氏が自民党の新人・小林一大(かずひろ)氏に敗れる見込みとなった。NHKなどが小林氏の当選が確実になったと報じた。

森氏は66歳。新潟大学卒業後、新潟県旧横越町議などを経て、2001年の参院選に小沢一郎氏が率いる自由党(当時)から立候補し、初当選。2003年の民由合併に伴い、民主党所属となる。2007年の参院選では新潟選挙区で再選するものの、2013年の参院選では生活の党(当時)から立候補し落選。2016年の参院選では無所属で民進(当時)・共産・社民・生活(当時)の野党統一候補として立候補し、わずか2279票差で自民候補に競り勝っていた

3選後は、「生活の党と山本太郎となかまたち」から改名された「自由党」の幹事長を務めたが、2019年に旧国民民主党に合流。2020年に旧国民の一部と立憲民主党が合流し、立憲民主党所属となった。2011年に野田佳彦内閣で文部科学副大臣を務めている

新潟選挙区は改選定数1の「1人区」で、事実上の与野党一騎討ちとなった。激戦区の1つと目され、選挙期間中は立憲民主党の枝野幸男・前代表が森氏の応援演説に駆けつけた一方、自民党新人の小林氏の元には、安倍晋三・元首相が入るなど話題になっていた。

「自公維とバチバチ対峙できる」

森氏は、獣医学部新設をめぐる加計学園問題や森友学園問題、財務省の公文書改ざん問題など、国会での鋭い「疑惑追及」で知られる。2021年10月には、野党批判を繰り返し発信していたTwitterアカウント『Dappi』をめぐり、発信者側と自民党との関係などについて岸田文雄首相に質問していた

2021年の衆院選の結果を受け、枝野幸男氏が立憲民主党の代表を辞任した後には、れいわ新選組の山本太郎代表が「野党第一党の新リーダーが森ゆうこさんなら、自公維とバチバチ対峙できるよなー」とTwitterに投稿するなど、党代表に推す声も出ていた

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