安倍元首相の国葬を秋に実施、岸田首相が表明。「我が国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く」

安倍晋三元首相の政府主導での葬儀が、この秋に「国葬」で執り行われることになった。
岸田文雄氏(2022年7月11日撮影)
岸田文雄氏(2022年7月11日撮影)
時事通信社

参院選の応援演説中に銃で撃たれて亡くなった安倍晋三元首相の政府主導での葬儀が、今年の秋にも「国葬」で執り行われることになった。

岸田文雄首相が7月14日の記者会見で明らかにした。

岸田氏は会見の冒頭で、「今回の選挙では、遊説中の安倍元総理が卑劣な暴力により、命を落とされるという衝撃的な事件が起こりました」と言及。その上で、「憲政史上最長の8年8カ月にわたり、卓越したリーダーシップと実行力を持って、厳しい内外情勢に直面する我が国のために、内閣総理大臣の重責を担った」などと安倍氏の功績を強調した。

「国葬」を執り行う理由として、岸田氏は「外国首脳を含む国際社会から、極めて高い評価を受けており、また民主主義の根幹たる選挙が行われている中、突然の蛮行により逝去されたものであり、国の内外から幅広い哀悼、追悼の意が寄せられている」ことなどを勘案したと明らかにした。

安倍氏の「国葬」をめぐっては、自民党内や支持者などから求める意見が浮上する一方で、ネット上では反対する声も上がっていた。

【該当部分の岸田首相の発言全文】

今回の選挙では、遊説中の安倍元総理が卑劣な暴力により、命を落とされるという衝撃的な事件が起こりました。改めて安倍元総理に哀悼の誠をささげます。

安倍元総理におかれては、憲政史上最長の8年8カ月にわたり、卓越したリーダーシップと実行力を持って、厳しい内外情勢に直面する我が国のために、内閣総理大臣の重責を担ったこと。

東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開等の大きな実績を、様々な分野で残されたことなど、そのご功績は誠に素晴らしいものであります。

外国首脳を含む国際社会から、極めて高い評価を受けており、また民主主義の根幹たる選挙が行われている中、突然の蛮行により、逝去されたものであり、国の内外から幅広い哀悼、追悼の意が寄せられています。

こうした点を勘案し、この秋に、「国葬儀」の形式で、安倍元総理の葬儀を行うことといたします。

「国葬儀」を執り行うことで、安倍元総理を追悼するとともに、我が国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示してまいります。あわせて、活力にあふれた日本を受け継ぎ、未来を切り開いていくという気持ちを、世界に示していきたいと考えています。

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