「統一地方選で、女性議員を3割に」政治のジェンダーギャップ解消を目指すプロジェクトに込めた思い

『FIFTYS PROJECT』のメンバーは、「女性議員が少ないことで、選択的夫婦別姓や結婚の平等の法制化、避妊や中絶など、女性やマイノリティーの直面する問題になかなか光が当たらない実情があります」と指摘します。
『FIFTYS PROJECT』のメンバー
『FIFTYS PROJECT』のメンバー
HuffPost Japan

政治のジェンダーギャップの解消を目指し、女性の選挙立候補を支援する『FIFTYS PROJECT』が、9月に始まった。まずは2023年4月の統一地方選挙で、20代、30代の地方議員の女性比率を3割にすることを目指し、相談会や勉強会を開いたり、候補者を応援する人を募ったりするという。

世界経済フォーラムが7月に発表した、ジェンダー・ギャップ指数の政治分野の2022年版で、日本は世界146カ国中139位。衆議院議員の女性の数は、初めて女性が国会議員になった1946年の466人中39人に比べ、2021年の衆院選で当選した女性は465人中45人とわずかしか増えていない。

9月6日に東京都の厚生労働省で開かれた記者会見では、メンバーの福田和子さんは「女性議員が少ないことで、女性やマイノリティーの直面する問題になかなか光が当たらない実情があります」と指摘。

NO YOUTH NO JAPAN』代表理事やハフポスト日本版U30社外編集委員を務めるメンバーの能條桃子さんは「個人の選択と権利が守られ、自分らしい人生を歩める社会には程遠いと感じています。次の世代に、もっとフェアで平等な社会を残したい。女性の地方議員が増えた先に国会議員が増え、女性の総理大臣の誕生があると思います」と語った。

◆支援の内容は?

プロジェクトでは、2023年4月の統一地方選挙で20代、30代の女性立候補や、年齢などの問題から今は立候補が難しい未来の立候補者を増やしていく。

統一地方選挙の立候補支援の対象となるのは、

・選択的夫婦別姓や結婚の平等の法制化

・性教育、緊急避妊薬、人工妊娠中絶、性被害者の立場が弱い刑法、男女の賃金格差、セクハラ、根強い性別役割分業・規範への問題意識

・ジェンダー平等や、フェアで生きやすい社会の実現

などへの思いを記したステートメントに賛同する、20〜30代の女性や、Xジェンダー、ノンバイナリーの人。立候補する政党は問わないという。

今後は立候補予定者、もしくは立候補に興味のある25歳〜39歳の女性に向けた個別相談会、選挙準備CAMP(11月)を開催。立候補者同士がつながれるコミュニティ作りも進めるという。金銭的な支援はしないという。

プロジェクトで女性を対象に支援する理由について、メンバーは「ジェンダー平等実現のためには、構成員の不均衡へのアプローチが最重要事項と考えています。22世紀を見据え今できることに取り組みたいと考え、ジェンダー平等志向のある女性を中心に支援するものとしています」と説明

また多様な性の人を支援対象にすることについて「現実の社会のジェンダー構成を反映していない意思決定過程の中で声が届きづらいという課題は、女性だけでなく多様なジェンダーアイデンティティを持つ人も同じだと考えました」と補足する。

◆クラウドファンディングも

『FIFTYS PROJECT』は「地方選挙から20代30代女性政治家を増やしたい!」と題して、 クラウドファンディングを実施している。10月31日までで、目標金額は500万円。

人件費や委託費、イベントの実施費や参加者の交通費などに使うという。

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