日銀の長期金利の上限引き上げ、住宅ローンや預金金利への影響は?

日銀による金融政策の修正は景気を冷やすのか。金融や為替に詳しいニッセイ基礎研究所の上野剛志・上席エコノミストに話を聞きました。
日本銀行
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日本銀行が12月20日、景気を下支えするための金融緩和策として0.25%程度に抑えてきた長期金利の上限を0.5%程度に引き上げた。事実上の利上げなのか。ローンや預金金利にどんな影響があるのか。金融や為替に詳しいニッセイ基礎研究所の上野剛志・上席エコノミストに話を聞いた。

今回のようなニュースが流れると、住宅ローンを組んでいる人たちから「金利負担にどんな影響が出てくるのか」という不安の声が上がる。住宅ローンは固定型に比べて低く抑えられている変動型で借りている人が大多数で、「民間住宅ローンの実態に関する調査」によると2020年度は全体の70.0%を占める。一方、固定型は3.0%となっている。

上野さんは「変動金利は短期金利に連動するため、今回の日銀の措置で金利が上がることはない」と説明する。一方で、固定型の金利は長期金利に連動するため、これから固定型で借りる人にとってはローンの負担が増える可能性がある。

例えば、金利が0.1%上がった場合にどれほど返済額が増えるかを住宅金融支援機構のウェブサイトのローンシミュレーションで計算してみた。金利1.650%で6千万円を長期固定住宅ローン「フラット35」で借りる場合、金利が0.1%上がると返済額が126万円増える計算になる。

預金金利について、上野さんは「普通預金は短期金利に連動するので変わらないだろう。定期金利は多少上がってくるかもしれない」とみる。

景気に及ぼす影響、黒田総裁はなんと答えた?

日銀は景気を上向かせるため、銀行などが持っている国債を大量に買い取ったり、マイナス金利を導入して企業などがお金を借りやすくしたりする大規模な緩和をしている。日銀の黒田東彦総裁は12月20日午後に開いた会見で記者から「事実上の利上げではないのか」と問われると、「利上げではない」と強調した。

記者からは今回の修正が景気に及ぼす影響についての質問が相次いだ。「企業の借り入れ金利や固定の住宅ローンへの影響が広がるとも予想される。悪影響も懸念されるがどう考えるか」との問いに、黒田総裁は「経済成長を促進し、経済の拡大を図っていくという効果に基本的な変更はありません」と答えた。「(企業がお金を借りるなどする)企業金融への波及がよりスムース、安定的に起こることで景気にはむしろプラスではないかと思われます」とも述べた。

上野さんは「実質的な金融引き締めなので、景気が悪くなるが、これぐらいの上昇幅であればそんなに悪くならないだろうとみているから修正したのだろう。ただ、従来に比べると金利は上がるだろう。企業がお金を借りづらくなるかもしれない。どれくらいのインパクトなのかというのは難しいが、賃金や雇用に影響が出る人もいるかもしれない」と指摘する。

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