就学中の障害児を放課後や休日に預かる「放課後等デイサービス」(放デイ)を運営する企業が倒産した理由について帝国データバンクが調べたところ、法令違反が3割を占めることがわかった。2月、同社が発表した。
放デイは児童福祉法に基づき、障害のある児童生徒を放課後などに預かる施設。厚生労働省のガイドラインでは、障害児に対して自立支援のための活動や地域交流などを組み合わせた支援を展開することなどが求められている。
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帝国データバンクによると、放デイを運営する企業の倒産は、2014〜2022年にかけて43社に上った。直近の2022年は14社が倒産し、民間企業が本格的に放デイに参入し始めた2012年以降で最多となった。
倒産した企業のうち29社で具体的な理由が判明し、「利用者の低迷」(34.5%)が最も多かった。
次いで、「法令違反」が31%を占めた。自治体に請求する給付金の水増しや、不適切な職員配置などに起因した施設内での怪我やトラブルを理由に、行政処分を受ける例があるという。
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読売新聞の2021年の調査では、2012年4月以降、全国の放デイ事業所のうち179事業所が利用料の不正請求で行政処分を受けたことが判明した。不正請求の総額は17億円に上ったという。
帝国データバンクは、こうした不正が相次ぐ背景に「ずさんな経営体制」があると指摘する。
「収益を重視した結果、利用者や職員数などを水増しした不正請求などが発覚し、事業継続を断念したケースも増えている」と分析。その上で、今後について「質の高い支援やサービスが提供できない放デイ事業者の淘汰がさらに進む可能性がある」としている。