「本物のバナナを壁に貼る」だけの有名アート、美大生が食べてしまう。その“シンプルな理由”に驚き

イタリアを代表するコンセプチュアル・アーティストの作品で、約1300万円の価値がある作品。美大生はバナナを食べた後、皮だけを元の位置に戻した。
2021年に中国・北京の美術館で展示されたマウリツィオ・カテラン氏の「Comedian」
2021年に中国・北京の美術館で展示されたマウリツィオ・カテラン氏の「Comedian」
China News Service via Getty Images

韓国の美術館で、イタリアの著名アーティストが壁に展示したバナナを、美大生が食べてしまうハプニングが起こった。この作品には12万ドル(落札当時約1300万円)の価値がある。

なぜ美大生は食べてしまったのか?

バナナを食べた後は、皮だけを元の位置に

4月、韓国・ソウルの美術館では、イタリアを代表するコンセプチュアル・アーティスト、マウリツィオ・カテラン氏の展示会「WE」が開催されていた。

ハプニングが起こったのは4月末。カテラン氏の代表的な作品である、本物のバナナを灰色のテープで壁に貼り付けた「コメディアン」を、ソウル大学の美術系の学部に通う大学生が食べてしまったのだ。バナナを食べた後は、皮だけをテープで元の位置に戻した。

現地メディアKBS NEWSは、美大生の友人が撮影したという動画を報道。美大生は壁に貼り付けられたバナナを外し、淡々とした様子で皮をむいて食べている。

この「コメディアン」は2019年12月に12万ドル(当時約1300万円)で落札されていた。

CNNなどによると、美大生はその日朝食を抜いており、「お腹が空いたので食べた」と美術館に話した。また後日、地元テレビ局の取材に対しては、「現代美術の作品を傷つけることも、一種の芸術作品になり得ると考えられる」とも述べたという。

美術館の広報担当によると、カテラン氏にもこのハプニングについて伝えたが、特に何の反応もなかったという。作品はもともと数日おきに新鮮なバナナに取り替えるようカテラン氏が指示しており、ハプニング後も別のバナナに差し替えられ、展示は続行した。

この「コメディアン」をめぐっては、過去にもバナナが食べられてしまう出来事があった。2019年、アメリカ・フロリダ州の現代美術展で出展された際には、パフォーマンスアーティストのデビッド・ダトゥナ氏がバナナを食べてしまったのだ。ダトゥナ氏はその後の会見で、「破壊行為ではなく、自分なりのアートパフォーマンスです」などと話した

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