「シャープペンはなぜ使ってはいけないの?」令和の小学生が、先生に聞きたいけれど聞けないこととは?

「いじめや虐待といった深刻な問題も、はじまりは言葉にできない小さな違和感やモヤモヤであったかもしれません」

「私は一人の方が楽しいのですが、友達を作ったほうがいいのでしょうか」
「シャープペンは、どうしてつかってはいけないの?」
「何で給食を全部食べないといけないんですか?」

小学館は9月11日、ヤフーとの共同企画「先生、しつもんです!」に寄せられた小学生からの質問を公表しました。

同企画は、子ども向けのポータルサイト「Yahoo!きっず」で小学生に先生への質問を募集し、小学館の教師向けの情報ポータルサイト「みんなの教育技術」に協力する教育関係者がそのうちの100個の質問に回答したもの。

同社は「小学生の心理と先生の知恵に、子どもと大人双方が触れられるようにした企画です」と説明しています。

どんな質問が寄せられたのでしょうか?

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一番多かったのは、友だちのこと

一番多く寄せられた質問は「友だちのこと」でした。逃げ場のない学校での人間関係に悩む子が多いようです。

例えば下記のような質問が寄せられています。

「私には友達がいないのですが、お母さんには1人は友達を作ったほうがいいと言われます。私は一人の方が楽しいのですが、友達を作ったほうがいいのでしょうか」

「とっても苦手な子がいるんですがその子が話しかけてくるんです。どうしたらいいですか?」

「自分の考えを言いたくても友だちの意見に合わせてしまいます。そういうときにはどうすればいいですか?」

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学校の謎ルールや表立って聞きづらいことも

次いで多かったのは、「シャープペンは、どうしてつかってはいけないの?」など、実は変だと思っている学校のルールや、生理のこと、性自認のことなどのこと。

例えば下記のような質問が寄せられています。

「なんでかみをそめたりピアスをあけちゃだめなの?」

「宿題をやりたくありません。 そもそも宿題とは、なぜやるのですか?」

「生理がきつくてあまり行事などに参加できないし、体育も休んでしまいます。 先生には、言いにくく、でも、わかってほしくて、でも勇気が出ないんです。生理の事を、先生に伝えるには、どうすればよいのでしょうか」

「私はxジェンダーで性自認が両性です。 学校では例えば女子トイレ、男子トイレのように男女の性別で分けられることがあり、 私は体の性別が女なので女子として動くのですが、どうしても違和感があります」

他にも、中学受験のことや不登校のこと、「クラスはどうやって決めているの?」などの質問も。「先生が給食中にずっとスマホを触っているのがいや。どう伝えればいい?」など、現代ならではの質問も寄せられました。

先生からの「回答」は?

皆さんなら、子どもからの質問にどう答えますか?

小学館ヤフーのサイトでは、100個の質問と教育関係者からの回答がそれぞれ半数ずつ掲載されています。

例えば「シャープペンは、どうしてつかってはいけないのですか?」の質問には、「学校には、いろんな家庭の子どもがあつまっていて、文房具を買えない家庭もあるよ。そこで日本では、そうした家庭に文房具代を支払うしくみができたんだ。文房具代は、税金から支払うから、必要なものしかダメなんだよ」と回答しています。

またページの最後には、子どもの深刻な悩みに対する相談先も掲載しています。

同社は、9月10日~16日は自殺予防週間だと前置きした上で、「いじめや虐待といった深刻な問題も、はじまりは言葉にできない小さな違和感やモヤモヤであったかもしれません。それが大きくならないために、そばにいる子どもが何か聞きたいことがあったら、安心して何でも聞ける大人でありたいですね」とコメントを寄せています。