サッカー女子W杯、選手5人に1人がネットで誹謗中傷を受けていた。男子W杯より多い傾向【FIFA調査】

また、2022年のサッカー男子W杯と比べ、2023年のサッカー女子W杯に出場した選手は、ネット上で誹謗中傷の標的となる可能性が29%高かったという。
2023年女子サッカーW杯、優勝したスペインチーム=豪シドニー、2023年8月20日
2023年女子サッカーW杯、優勝したスペインチーム=豪シドニー、2023年8月20日
Eurasia Sport Images via Getty Images

2023年夏にオーストラリアとニュージーランドで開催されたサッカー女子ワールドカップで、選手5人に1人がネットで誹謗中傷を受けていたーー。

FIFA(国際サッカー連盟)とFIFPro(国際プロサッカー選手協会)が12月11日に発表した、2023年女子サッカーW杯中におけるネット上の誹謗中傷調査で明らかになった。

大会中はFIFAとFIFProが開発したソーシャルメディア監視・保護ツールを導入し、35の言語による500万件以上のコメントを分析。11万件以上の不適切コメントを非表示にしたという。

ツールで検知され、悪質と認定された投稿の約半数は同性愛嫌悪や性差別、または性的な内容で、最も多く嫌がらせの標的にされたのは、アメリカ代表チームだったという。

悪質コメントは選手だけでなく、審判にも向けられ、多くが政治家の投稿から広がっていることも明らかになった。

また、2022年のサッカー男子W杯と比べ、2023年のサッカー女子W杯に出場した選手は、ネット上で誹謗中傷の標的となる可能性が29%高かったという。

FIFProのディヴィッド・アガンゾ会長は声明で、ネット上の誹謗中傷が世界中のサッカー選手に影響を与えており、「選手のメンタルヘルスやウェルビーイングに影響する」と指摘。

「サッカー界は選手たちの仕事場を守る責任がある」と述べ、全ての人に安全でより良い環境を作るためには「すべての関係者が役割を果たす必要がある」と話した。

国連と共に差別撲滅キャンペーンを実施しているFIFAのジャンニ・インファンティーの会長は、「FIFAの大会であろうがどこだろうが、誹謗中傷や脅迫をする人はソーシャルメディアに居場所はない」声明で述べ、差別に反対する強い姿勢を見せた。

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