スポーツ、ピアノ、それとも語学? 小学生の習い事で人気なのはーー。
教育事業を行うベネッセコーポレーションは、全国の小学生とその保護者3096組に、習い事についてアンケートを実施し、3月29日に結果を発表しました。
習い事の現状や意識、保護者の小学生時代の習い事などについて調べると、人気の習い事は時代とともに変化していることがわかりました。
英語、ピアノ、学習系より人気なのは? ダンスの順位も上昇
小学生がしている習い事ランキングトップ10は、以下の通りです。
10位 体操・リトミック 7%
7位 ダンス 9%
7位 受験のための学習 9%
7位 計算・漢字 9%
5位 サッカー・フットサル 12%
5位 習字 12%
3位 ピアノ・電子オルガン 20%
3位 学校の予習・復習 20%
2位 英会話などの語学 21%
1位 水泳 31%
同社が2021年に行った前回の調査と比較すると、ピアノ、習字、サッカーやダンスなどの実技系の習い事の順位が上昇。背景には、「学習以外で好きなことを見つけたり、得意なことを伸ばしたりしてほしいという保護者の想い」が見受けられるといいます。
さらに、ダンスは前回はトップ10圏外でしたが、今回は7位に。小学校の学習指導要領で、体育に「表現運動」が組みこまれていたり、ダンスを踊るアーティストが活躍していたりすることが、影響を与えているようです。
親世代で人気だった「そろばん」が減る
今の小学生と、保護者が小学生時代にしていた習い事を比較してみると、保護者と比べて習っている割合がもっとも増えたのが「ダンス」で、減ったのは「そろばん」でした。
今の小学生は保護者の小学生時代に比べて、特定の習い事への集中傾向が弱く、「小学生の習い事は多様化しているといえる」と同社はコメントしています。
今後新たにしたい・させてみたい習い事としては、小学生は「プログラミング」、保護者は「英会話などの語学」 が1位に。
「プログラミング」はともに上位に入っており、2020年度からの必修化で、授業で学ぶことに加え、小学生の「なりたい職業」の上位に「ゲームクリエイター」や「ユーチューバー」などが選ばれることも多いため、習い事でも希望する傾向が高いようです。
習い事のオンライン化も進んでおり、オンラインのみで受講する習い事をしている子どもは17%でした。内訳は「学校の予習・復習」が21%、次いで「英会話などの語学」が18%、「計算・漢字」が8%。学習系の習い事でのオンライン受講が人気のようです。
この調査結果を受けて、 ベネッセ教育総合研究所主席研究員の木村治生さんは、保護者が習い事に求めていることは、<保護者の多くは、「その道のプロになる」(32%)といった特別な力をつけることよりも、「集中する力を身につける」(94%)、「努力する姿勢を身につける」(93%)のような何をやるうえでも必要になる一般的な力を伸ばすこと>を期待していると分析。
大切なのは、「何を習うか」ではなく、「なぜ習うか」「どのように取り組むか」だといい、<どのような習い事でも、習うことに自分なりの意味を見出し、真剣に取り組めば、さまざまな汎用的能力が育ちます>とコメントしています。