歩いて給食を配る先生がいる。でも、生徒に渡すのはそれだけではない。【新型コロナ】

低所得者の家庭を、毎日徒歩で訪問している先生がイギリスにいます。しかし…
Twitter / @HeroesOfCovid19

ロックダウンが続くイギリスで、一人の先生が、低所得家庭の子どもたちに毎日徒歩で給食を届けている。    

晴れの日も雨の日も給食を届けているのは、イギリス東部グリムズビーにある「ウェスタン・プライマリー・スクール」の副校長、ゼーン・パウルスさんだ。

パウルスさんは毎日、約80食のスクールランチをバッグに入れ、身体中にくくりつけて、低所得の家庭に届けている。

Assistant headteacher @zaneyteacher at Western primary school in Grimsby walks over five miles every day to deliver school meals to scores of children. #HOC19 #COVIDー19 #COVID19 #StayAtHome #StaySafe #LocalHeroes "What a HERO" https://t.co/4qm8HCFZWU pic.twitter.com/soWo14HV2H

— Heroes Of Covid-19 (@HeroesOfCovid19) April 9, 2020

イギリスでは、低所得の家庭の子どもたちが無料で給食を食べられる、フリー・ミール制度がある。

3月23日にロックダウンになった時、まず最初に「フリー・ミール制度を受けている子どもたちの食べ物をどうしようと考えた」とパウルスさんはabcニュースに話す。

「最初に頭に浮かんだのは、子どもたちのどうやって食事を食べさせたらいいかということでした。私たちの学校には、助けが必要な家庭の子どもたちも通っています。何か策を考えなければと思いました」

パウルスさんによると、ウェスタン・プライマリー・スクールでは10人に4人がフリーミールを利用している。しかしロックダウンの間、親や子どもに取りにきてもらうわけにもいかない。考えた末に思いついたのが、各家庭に届ける方法だった。

パウルスさんは、地図を広げてフリーミールが必要な子供たちの家の場所を確認し、毎日届けることにしたとBBCに話す。

This Deputy Headteacher walks five miles a day, delivering packed lunches to his pupils to make sure they still get a school dinner 🥪🚶🏻♂️👋🏻 pic.twitter.com/ulOH0qgVrK

— BBC East Yorks and Lincs (@looknorthBBC) April 7, 2020

自分で届ければ、子どもたちは食事ができる上に、子どもたちの様子を確認することもできる。

パウルスさんは学校のキッチンスタッフが準備したパンや果物、サンドイッチやポテトチップスなどを紙袋に入れて、毎日2時間以上、約8キロ歩いて届けている。

1日分の重さは約54キロにもなる。パウルスさんは元軍人で体は鍛えられているとはいえ、これだけの量を毎日歩いているのは大変だ。

パウルスさんのことを「ヒーロー」と呼ぶ人もいるが、パウルスさんは「ただやるべき仕事をしているだけ」と説明する。

Me delivering lunch to the children of our school. I started this to ensure our children were safe; got their free school meal; and to support parents during tough times.

Just doing my job in a different way-the welfare of children and showing we care for them in/out of school

— Zane (@zaneyteacher) April 18, 2020

 「給食の配達を始めたのは、子どもたちが安全かどうか、給食を受け取ったかどうか確認するため、そしてこの大変な時に親のみなさんをサポートするためです。そして、これはいつもとは少し違う形での私の仕事なのですー子どもたちの福祉を守り、学校の中でも外でも気にかけている、ということを伝えるものです」

届けているのは食べ物だけではない。宿題も入っているという。低所得の家庭では、オンライン教育の環境が整っておらず、自宅で学ぶのが難しい子どもも少なくない。中にはWiFiがない家庭もあるとパウルスさんは説明する。  

宿題を届けることで子どもたちも勉強を続けられるし、質問があれば少し離れた場所から教えることもできる。

A teacher from Grimsby is walking five miles every day to deliver free school meals to the doorstep of every child who needs one.@peterlane5news went to meet Mr Powles. pic.twitter.com/J6Wy26j4fS

— Channel 5 News (@5_News) April 16, 2020

子どもや親たちは、給食と宿題を届けてくれたパウルスさんに少し離れた距離からお礼をいったり、窓から手を振ったりして感謝を伝えている。中には、窓に「ありがとう」と書いた紙を、貼っている子どももいる。

パウルスさんは、「とても嬉しい。子どもたちの家族全員が問題過ごしていると確認でき、子どものためは学校とのつながりを保てますから」とabcに話す。 

5 weeks into lockdown and I have walked over 125miles delivering nearly 2000 school meals with a combined weight of over 1100kg.

More importantly, children and parents from our school have been supported through these tough times and will continue to be ‘The school that cares’

— Zane (@zaneyteacher) April 24, 2020

「ロックダウン5週間目、125マイル以上歩いて、2000食近くを届けました。総重量は1100キロ。何より大事なのは、私たちの学校の子供や親たちがこの大変な時期に、ずっとサポートしてくれたことです」

パウルスさんはインディペンデントに「これは、チームでやっていることです」と話す。  

食事はキッチンスタッフが準備し、歩いて届けることができない距離に住んでいる生徒には、校長先生や他の先生たちが交代で食事を車で届けている。

「私だけが重労働をしているように見えますが、そうではありません。他の先生も、車で遠くに住む子どもたちに食事を届けています」

「私たちは毎週、彼らに電話をかけて、生活に問題はないか確認しています。そして毎日一緒に給食の準備をしています」