「魔女の宅急便」「ゲド戦記」、金曜ロードショーで2週連続放送

「冬もジブリ」企画。月曜深夜の「映画天国」では「レッドタートル ある島の物語」も

魔女の宅急便&ゲド戦記、金ロー『冬もジブリ』で2週連続放送

 スタジオジブリのファンタジー映画『魔女の宅急便』『ゲド戦記』が来年1月5日より2週にわたって日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』(毎週金曜 後9:00)で放送されることがわかった。『冬もジブリ』と題された同企画にあわせ、月曜深夜の『映画天国』(関東ローカル)ではスタジオジブリ最新作の日仏ベルギー合作『レッドタートル ある島の物語』をテレビ初放送する。

 見習い魔女のキキが両親のもとを離れ、見知らぬ土地で奮闘する姿を描いた心温まる成長物語『魔女の宅急便』。2019年には公開30年を迎え、長く愛され続けてきたが、鈴木敏夫プロデューサーは「宮崎駿は『魔女の宅急便』をやることになって、この映画のテーマに悩んだんです。2人で吉祥寺の町や井の頭公園を歩いて、3時間ぐらい歩いて、疲れ切って、喫茶店に入ったんですね。席に着いた途端に宮崎駿が『この映画でなにやったらいいの?』と聞いてきたので、苦し紛れに『正面から思春期ってやったことないですよね』と答えたんです。そしたら『それだ!』って」と制作秘話を明かす。

 「宮崎駿という人は抽象的な概念で思考をしない人だから、すべてが具体化するんですね。(作中で主人公のキキが)パン屋へ行って次の日の朝起きてトイレに行くじゃないですか。あのシーンと、つまらなそうな顔をしながらパン屋でお留守番をする絵。宮崎駿がそういった形で思春期を表したんです。なんかわかる気がしました」と納得する。

 一方、宮崎吾朗監督が手がけた『ゲド戦記』は『指輪物語』『ナルニア国物語』に並ぶファンタジー文学の傑作が原作。駿監督も多大な影響を受けたと公言しているが鈴木プロデューサーは「実は『風の谷のナウシカ』の前に原作者のグウィンさんに映画化を申し出ていたんです。でも当時からすればどこの馬の骨とも分からない日本人からの申し出...お断りされてしまいました」と一度は断念された計画だったことを回顧。

 それが、年月を経て今度はグウィン側から打診がきた。「でもグウィンさんの了承はすぐにでなかったんです。望んでいるのは宮崎駿による映画化だったわけですから。そこで、宮崎駿と僕で会って話をすることになったんです。宮崎駿は説得のために色んなことを話していました。『僕の色んな作品は全部あなたの影響を受けてる! 闇との戦い。僕にとってはすごい重要なテーマだった。だけど、それをやるには年をとりすぎた。息子はやりたいって言ってるけど、自分がプロデューサーとして見守るから納得してくれないか』...という感じで。それを話したのがお昼で、その場では夜もう一度お話をしましょうっていうことになって、夜にやっと返事をもらったんです。わかりましたって」と念願の映画化が決定。

 「実は『ゲド戦記』の映画化を断られた時に宮崎駿が『シュナの旅』っていう絵物語を書いていたんですけど、実際に映画を作るときに吾朗くんに『シュナの旅を作ったらどうかと提案したんです。吾朗くんも基本的にはそれを受け入れて、大きくは違ってますけど、流れているものは同じなんですよね」と親子二代にわたって受け継がれた物語。お正月から深夜放送の『レッドタートル』と合併せてファンタジーの世界観に浸ってみては。

<放送日時>

1月5日『魔女の宅急便』(後9:00)...ノーカット放送

1月12日『ゲド戦記』(後9:00)...本編ノーカット放送

1月2日『新春特別映画天国「レッドタートル ある島の物語」』(深夜1:59)...ノーカット放送

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